【どう見るこの株】セグエグループは下値固め完了、22年12月期2桁増収増益予想

 セグエグループ<3968>(東証プライム)はネットワークセキュリティの新たなリーディングカンパニーを目指し、ITソリューション事業を展開している。22年12月期は2桁増収増益予想としている。世界的な半導体不足による納期遅延や為替の円安進行がマイナス要因となるが、好調な受注を背景として着実な成長を狙うとしている。第1四半期は減収減益だったが進捗率が順調であり、通期ベースで収益拡大基調だろう。株価は安値圏で軟調だが、20年3月の上場来安値を割り込まずに推移して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■ITソリューション事業を展開

 ネットワークセキュリティの新たなリーディングカンパニーを目指し、ITソリューション事業(ソリューションプロダクト事業、ソリューションサービス事業)を展開する純粋持株会社である。ジェイズ・コミュニケーションなどの子会社がITインフラおよびネットワークセキュリティ製品の設計・販売・構築・運用・保守サービスを展開している。

 ビジネス区分は、他社プロダクト販売のVAD(Value Added Distributor=他社メーカー製品を技術的付加価値と共に販社や顧客に提供する代理店)ビジネス、自社ソフトウェア製品開発・販売の自社開発ビジネス、およびシステムインテグレーションビジネスとしている。自社開発ソフトウェアは。テレワークソリューション「RevoWorks」シリーズや、認証ソリューション「WisePoint」シリーズを展開している。

 21年9月には企業のシステム運用自動化ソリューションを提供するフィックスポイントに出資、21年11月には企業の教育・研修を支援するSaaSプロダクトを販売するmanebiに出資した。22年5月には出資先のトリプルアイズ<5026>が東証グロース市場に新規上場した。

■技術者の大幅増員などを推進

 中期経営計画では目標数値に、最終年度24年12月期売上高170億円、営業利益12億円、当期純利益8億円を掲げている。重点戦略として、成長に向けた基盤となる技術者の大幅増員、VADビジネスの伸長、自社開発ビジネスの拡大、システムインテグレーションの強化、ストック型サービスビジネスの拡大、ビジネスの変革、M&Aの実行などを推進する。

 なお、22年4月に実施された東京証券取引所の市場再編ではプライム市場を選択し、プライム市場上場維持基準適合に向けた計画書を開示している。中期経営計画で掲げた成長戦略を着実に遂行し、事業成長を加速させることで企業価値の向上(時価総額の増大)を図り、流通株式時価総額に関して24年12月期までにプライム市場上場維持基準を充たすための取り組みを進めるとしている。

■22年12月期2桁増収増益予想

 22年12月期連結業績予想は売上高が21年12月期比10.5%増の133億円、営業利益が19.0%増の7億60百万円、経常利益が10.8%増の7億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が14.3%増の5億20百万円としている。世界的な半導体不足による納期遅延の継続や為替の円安進行がマイナス要因となるが、好調な受注を背景として、VADビジネスおよび自社開発ビジネスを中心に着実な成長を狙うとしている。配当予想は21年12月期と同額の16円(期末一括)としている。

 ビジネス別の計画としては、VADビジネスは前期に積み上がった受注残により売上高が22.1%増の64.2億円で売上総利益が13.6%増の14.9億円、自社開発ビジネスは自治体情報システム強靭化案件獲得により売上高が58.1%増の9.6億円で売上総利益が97.8%増の6.5億円、システムインテグレーションビジネスは収益認識会計基準適用も影響して売上高が4.2%減の59.1億円で売上総利益が0.5%減の14.3億円としている。

 なお第1四半期は売上高が前年同期比1.2%減の33億37百万円、営業利益が16.6%減の2億25百万円、経常利益が9.1%減の2億75百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3.9%減の1億81百万円だった。システムインテグレーションビジネスがGIGAスクール案件減少や収益認識会計基準適用の影響で落ち込んだため、全体としても減収減益だった。ただしVADビジネスおよび自社開発ビジネスは好調だった。

 VADビジネスは代替プロダクト拡販により売上高が22.2%増の15.94億円で売上総利益が2.9%増の3.69億円、自社開発ビジネスは自治体情報システム強靭化案件が後倒しの傾向だが売上高が74.1%増の1.80億円で売上総利益が101.9%増の0.97億円、システムインテグレーションビジネスは売上高が20.6%減の15.63億円で売上総利益が20.9%減の3.85億円だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高25.1%、営業利益29.6%、経常利益36.2%、親会社株主帰属当期純利益34.8%だった。第1四半期は減収減益だったが進捗率が順調であり、通期ベースでは収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 株価は安値圏で軟調だが、20年3月の上場来安値を割り込まずに推移して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。7月25日の終値は536円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS46円68銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS279円50銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約63億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る