【どう見るこの株】笑美面は新規オフィス3拠点開設を手掛かりに連続の最高純益更新を見直す

 笑美面<9237>(東証グロース)は、前日1日に21円高の1715円と4営業日ぶりに反発して引けた。5月1日に愛知県、兵庫県、大阪府に新規オフィスを3拠点開設したことを手掛かりに今2026年10月期の純利益が連続して過去最高を更新することを見直し割り負け修正買いが再燃した。テクニカル的にも2024年4月10日につけた上場来高値3200円から1年間の調整を経て、2023年10月26日の新規株式公開(IPO)時の初値1810円をまだ下回っているとして売られ過ぎ修正期待が交錯している。

■積極採用のコーディネーターの下期高稼働で純利益は前期比24%増

 同社は、団塊の世代が後期高齢者入りする超高齢化社会で、家族の介護で離職を余儀なくされるビジネスケアラーが318万人、高齢者が高齢者を介護する老老介護が200万人、親の介護で就学などを断念するヤングケアラーが32万人に達するなど介護問題が社会問題化する事業環境下、介護者と有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅などのシニアホームをマッチングして「シニアホーム利用の介護が当たり前になる」ことを企業ミッションにしており、愛知名駅オフィス、兵庫三宮オフィス、大阪京橋オフィスの3拠点の開設は、同サービスをより迅速に最適なサービスとして提供することを目的としている。また同サービスの中心となる介護者とシニアホームの橋渡し役となるコーディネーターについても積極的な採用を続け、前2025年10月期の30名超に対して今2026年10月期は50名超の純増を計画している。

 このため今2026年10月期業績は、営業収益20億3500万円(前期比56.4%増)、営業利益2億6100万円(同20.6%増)、経常利益2億5900万円(同21.2%増)、純利益2億2400万円(同24.7%増)と予想し、純利益は、連続の過去最高更新となる。今年3月13日に発表した今期第1四半期(2024年11月~2026年1月期、1Q)業績は、コーディネーターの積極採用による費用が前倒しで4614万円発生したことで営業利益が100万円の赤字で着地したが、プラットフォームのサイト登録数は、7967件と今期年間計画の8000件目前となり、メディカルソーシャルワーカーからの紹介数は2850件(前年同期比56.6%増)、「家族会議実施数」は1900件(同68.2%増)、入居契約数である「スマイル数」は1007件(同43.4%増)と年間計画を上回るペースで推移しており、積極採用したコーディネーターの稼働率が下期に高まることから通期業績の連続過去最高更新を牽引する。

■PERは15倍と割り負け初値奪回からまず最高値調整幅の3分の1戻しに弾み

 株価は、1240円を公開価格にIPOされ1801円で初値をつけ2024年4月には上場来高値3200円まで買い進まれた。同高値後は、東証グロース市場の人気離散などで上場来安値1534円まで調整したが、今期業績の連続最高更新予想を手掛かりに年初来高値2148円へリバウンドした。同高値からは、世界同時株安の波及で1555円まで再調整し売られ過ぎとして戻りを試しているところである。PERは15.5倍と東証グロース市場全銘柄平均の38.6倍に比べて相対的に割り負けており、1801円の初値奪回からまず最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しの2089円を目指し、年初来高値2148円奪回に弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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