ファンデリーは23年3月期2Q累計赤字、通期黒字転換予想据え置き

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は、10月31日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。コロナ禍の影響などで全体として売上回復が遅れ、各利益は赤字だった。ただし広告宣伝費の期ズレも寄与して営業利益と経常利益は計画に対して赤字幅が縮小して着地した。そして通期の黒字転換予想を据え置いている。MFD事業の再成長への回帰、CID事業の損益改善、マーケティング事業の伸長を推進する方針だ。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復を期待したい。株価は10月17日発表の自己株式取得実施も評価して底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計赤字、通期黒字転換予想据え置き

 23年3月期第2四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比14.6%減の6億74百万円、営業利益が17百万円の赤字(前年同期は13百万円の赤字)、経常利益が28百万円の赤字(同15百万円の赤字)、そして四半期純利益が28百万円の赤字(同29百万円の赤字)だった。

 コロナ禍の影響などで全体として売上回復が遅れ、製品評価損の増加も影響して各利益は赤字だった。ただし広告宣伝費の期ズレも寄与して、営業利益と経常利益は計画(営業利益35百万円の赤字、経常利益59百万円の赤字)に対して赤字幅が縮小して着地した。

 MFD事業は売上高が8.5%減の11億38百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が14.4%減の2億24百万円だった。コロナ禍に伴う外来患者減少などで病院等の紹介ネットワークを通じた新規顧客獲得が減少した。CID事業は売上高が52.3%減の80百万円、利益が2億20百万円の赤字(前年同期は2億02百万円の赤字)だった。原価率を低減できず、収益が悪化した。マーケティング事業は売上高が3.7%減の1億78百万円、利益が1.6%減の1億27百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億74百万円で営業利益が17百万円の赤字、第2四半期は売上高が7億23百万円で営業利益が0百万円の黒字だった。営業損益は改善傾向である。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が22年3月期比2.5%増の32億円、営業利益が1億05百万円の黒字(22年3月期は1億77百万円の赤字)、経常利益が1億14百万円の黒字(同1億58百万円の赤字)、当期純利益が79百万円の黒字(同19億48百万円の赤字)としている。配当予想は復配の3円(期末一括)としている。

 セグメント別の計画は、MFD事業の売上高が22年3月期比0.5%増の24億58百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が1.7%増の5億27百万円、CID事業の売上高が4.1%増の2億42百万円で利益が4億83百万円の赤字(22年3月期は7億50百万円の赤字)、そしてマーケティング事業の売上高が12.3%増の5億円で利益が10.0%増の3億68百万円としている。

 MFD事業はプラス成長への回帰を目指す。22年4月から医療機関への訪問を再開し、さらに本社・大阪支社および新設した神奈川支社の3拠点で専任の担当者を配置している。また、特定の栄養素を重点的に補給できるように調整した食事として、メニューに「パワーアップ食」を追加した。CID事業は「AI旬すぐ」会員獲得などにより、損益改善を推進する。マーケティング事業は受注が堅調であり、通期ベースでは過去最高を目指す。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復を期待したい。

■株価は底固め完了

 株価は安値圏でモミ合う形だが、10月17日発表の自己株式取得実施も評価して底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。10月31日の終値は270円、今期予想PER(会社予想のEPS12円49銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円で算出)は約1.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS99円25銭で算出)は約2.7倍、そして時価総額は約17億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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