トシン・グループは21年5月期3Q累計減収減益、通期予想据え置き

(決算速報)
 トシン・グループ<2761>(JQ)は3月31日の取引時間中に21年5月期第3四半期累計の連結業績を発表した。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だった。通期予想は据え置いた。需要が緩やかに回復傾向であり、22年5月期の収益拡大を期待したい。なお20年9月4日発表した自己株式取得について、経営環境の変化等を勘案して中止すると発表した。株価は徐々に下値を切り上げている。第3四半期累計の減収減益に対しても反応薄だった。新型コロナウイルスの影響を織り込み済みであり、出直りを期待したい。

■21年5月期3Q累計は新型コロナ影響で減収減益、通期予想据え置き

 21年5月期第3四半期累計(20年5月21日~21年2月20日)の連結業績は、売上高が前年同期比8.8%減の297億12百万円、営業利益が31.4%減の11億19百万円、経常利益が31.3%減の15億89百万円、四半期純利益が38.5%減の9億87百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮で減収減益だった。工事の中断や延期などは解消されてきたが、新設住宅着工戸数の減少、リニューアル需要の低迷などで厳しい状況だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が93億79百万円、営業利益が2億42百万円、経常利益が3億86百万円、第2四半期は売上高が106億58百万円、営業利益が4億88百万円、経常利益が6億86百万円、第3四半期は売上高が96億75百万円、営業利益が3億89百万円、経常利益が5億17百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が20年5月期比横ばいの428億60百万円、営業利益が9.8%減の17億30百万円、経常利益が9.0%減の25億97百万円、純利益が11.7%減の16億80百万円としている。配当予想は20年5月期と同額の56円(第2四半期末28円、期末28円)である。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が69.3%、営業利益が64.7%、経常利益が61.2%である。進捗率はやや低水準の形だが、建設関連で年度末にあたる第4四半期の構成比が高くなる傾向があることを考慮すれば、通期予想の達成は可能だろう。また需要が緩やかに回復傾向であり、22年5月期の収益拡大を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は徐々に下値を切り上げている。第3四半期累計の減収減益に対しても反応薄だった。新型コロナウイルスの影響を織り込み済みであり、出直りを期待したい。3月31日の終値は6240円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS211円22銭で算出)は約30倍、時価総額は約712億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る