クリナップは23年3月期2Q累計減益だが計画超で着地、通期小幅増益予想据え置きだが上振れの可能性

(決算速報)
クリナップ<7955>(東証プライム)は11月7日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。原材料価格高騰の影響で減益だったが、システムキッチン「STEDIA」の好調などで売上高が期初予想を上回り、各利益の減益幅も期初予想より縮小して着地した。不透明感を考慮して通期の小幅増収増益予想を据え置いているが、下期の価格改定効果なども勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して戻り一服の形だが、第2四半期累計の上振れを評価して上値を試す展開を期待したい。指標面の割安感も評価材料だろう。

■23年3月期2Q累計減益だが計画超で着地、通期も上振れの可能性

23年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.6%増の613億10百万円、営業利益が18.9%減の17億57百万円、経常利益が15.7%減の20億32百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.0%減の13億34百万円だった。

原材料価格高騰の影響で減益だが、期初予想(売上高566億円、営業利益10億50百万円、経常利益12億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益9億円)に対しては、システムキッチン「STEDIA」の好調などで売上高が上回り、各利益の減益幅も縮小して着地した。部門別の売上高は、厨房部門が12.1%増の490億53百万円、浴槽・洗面部門が4.2%増の80億92百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が292億06百万円で営業利益が6億26百万円、第2四半期は売上高が321億04百万円で営業利益が11億31百万円だった。

通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比4.1%増の1180億円、営業利益が5.4%増の40億円、経常利益が4.9%増の44億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%増の32億円としている。配当予想は22年3月期比3円増配の26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。

不透明感を考慮して通期の小幅増収増益予想を据え置いているが、下期の価格改定効果(22年9月納品分から価格改定実施)なども勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

株価は地合い悪化も影響して戻り一服の形だが、第2四半期累計の上振れを評価して上値を試す展開を期待したい。指標面の割安感も評価材料だろう。11月7日の終値は602円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS86円74銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の26円で算出)は約4.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1481円01銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約225億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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