フライトホールディングスは24年3月期1Q赤字だが通期大幅増収増益予想据え置き

(決算速報)
 フライトホールディングス<3753>(東証スタンダード)は8月10日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。サービス事業における前期の大型案件の反動などで減収・赤字だったが、通期の大幅増収増益予想を据え置いた。マイナンバーカード対応「Incredist Premium Ⅱ」やAndroidスマホによるタッチ決済ソリューション「Tapion」などの拡販を推進する。有望案件が目白押しであり、中長期的に収益拡大を期待したい。株価は4月の年初来安値に接近して軟調だ。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。

■24年3月期1Q赤字だが通期大幅増収増益予想据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比4.4%減の6億33百万円、営業利益が46百万円の損失(前年同期は24百万円の損失)、経常利益が41百万円の損失(同19百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が41百万円の損失(同23百万円の損失)だった。サービス事業における前期の大型案件の反動などで減収・赤字だった。

 C&S事業は、売上高が10.6%増の2億61百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が0.7%減の28百万円だった。微減益だったが概ね計画水準としている。事業会社の基幹システム開発や既存顧客向けのシステム開発・保守などが堅調だった。

 サービス事業は、売上高が17.4%減の3億34百万円、利益が83.2%減の9百万円だった。前期に電子決済ソリューション「Incredist」の大型納品があった反動で減収減益だった。

 ECソリューション事業は、売上高が74.4%増の37百万円、利益が2百万円(前年同期は27百万円の損失)だった。B2B向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B」の引き合いが順調で、概ね計画水準だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比16.3%増の35億円、営業利益が51.2%増の1億20百万円、経常利益が93.7%増の1億10百万円、親会社株主帰属当期純利益が93.8%増の80百万円としている。

 マイナンバーカード対応「Incredist Premium Ⅱ」や無人自動精算機向け決済端末「VP6800/IFC」の拡販、Androidスマホによるタッチ決済ソリューション「Tapion」の開発・拡販、マイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス「myVerifist」および医療機関におけるオンライン資格確認対応「myVerifist医療エディション」に注力して大幅増収増益予想としている。

 なお23年10月1日付で、子会社のフライトシステムコンサルティングを吸収合併し、商号をフライトソリューションズに変更予定である。コアコンピタンスの結集や発展により企業価値の向上を目指す方針だ。有望案件が目白押しであり、中長期的に収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は4月の年初来安値に接近して軟調だ。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。8月10日の終値は386円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円46銭で算出)は約46倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS60円22銭で算出)は約6.4倍、そして時価総額は約37億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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