【注目銘柄】エンバイオHDは続落も業績再上方修正・最高純益更新を手掛かりに押し目買いが交錯

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 エンバイオ・ホールディングス<6092>(東証グロ-ス)は、前日6日に5円安の711円と3営業日続落して引けた。東証グロース市場指数が、12月1日につけた戻り高値から1.61%安と3営業続落して引けたことから、同じく11月24日に808円の戻り高値をつけた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ安値では25日移動平均線で下げ止まり後場取引時間中には719円をつける場面もあり、今年11月14日に発表した今2023年3月期業績の2回目の上方修正で、純利益が、期初の減益転換予想から増益とプラスに変わり、過去最高純利益更新の更新幅を拡大することを手掛かりに割安修正期待の押し目買いも交錯した。テクニカル的にも、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆したことも支援材料視されている。

■ブラウンフィールド事業の物件販売価格が想定を上回り為替差益もオン

 同社の今3月期業績は、今期第1四半期決算開示時の今年8月に上方修正されたが、その増額値を今回、第2四半期(2Q)累計決算発表時に再上方修正した。8月増額値より売り上げを4100万円、営業利益を4億7500万円、経常利益を5億7700万円、純利益を4億100万円それぞれ引き上げ、売り上げ84億1800万円(前期比6.3%減)、営業利益13億1700万円(同7.2%増)、経常利益12億8700万円(同7.5%増)、純利益7億1600万円(同9.6%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(6億5400万円)を連続更新する。

 売り上げは、土壌汚染対策事業でインフレにより建築資材などが高騰し、顧客の開発計画が見送り・先送りとなる案件があって足元の受注高が伸び悩む影響で前期比減収と慎重に見込んだ。しかし、汚染土地を浄化して有効利用するブラウンフィールド事業では、物件の販売価格が想定を上回り、土壌汚染対策事業でも想定を上回る高利益率の案件が複数完工し、円安・ドル高進行とともに2Qに1億7300万円の為替差益を計上したことなどが要因となった。

■GC示現でPER6倍、PBR0.6倍の割安修正に挑戦し年初来高値も通過点

 株価は、前期業績の再上方修正と初配当の発表でストップ高を交えて年初来高値852円まで買い進まれ、今期業績の減益転換予想では逆にストップ安して年初来安値515円まで売られた。同安値からは今期業績の第1回目の上方修正で659円までリバウンドし、子会社の汚染土壌浄化技術が経済産業省・環境省の利用指針に適合を確認したことで765円とストップ高、さらに今期業績の2回目の上方修正で808円まで上値を伸ばし、GCを示現した。足元ではその上向きの25日線を前に売り買い交錯が続いているが、PERは6.5倍、PBRは0.68倍と割安顕著となっている。戻り高値808円を上抜き年初来高値852円を通過点に、昨年11月高値1090円にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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