ファーストコーポレーションは23年5月期2Q累計減益だが通期増益予想据え置き

(決算速報)
 ファーストコーポレーション<1430>(東証プライム)は1月6日の取引時間中に23年5月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。前期の不動産売上の反動で減益だったが、完成工事高は順調だった。そして通期の増益予想を据え置いた。大型案件の本体工事着工等に伴う完成工事総利益率の向上や、第3四半期以降の不動産売上計上などを見込んでいる。通期ベースでは積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、一方では下値固め完了感を強めている。第2四半期累計業績に対してもややポジティブな反応となった。高配当利回りも評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■23年5月期2Q累計は不動産売上の反動で減益だが、通期は増益予想

 23年5月期第2四半期累計(6月~11月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比30.1%減の101億77百万円、営業利益が19.1%減の6億52百万円、経常利益が20.1%減の6億41百万円、四半期純利益が20.5%減の4億45百万円だった。

 前期の不動産売上の反動で減収減益だったが、完成工事高は順調だった。完成工事高は25.5%増の93億30百万円、不動産売上高は93.5%減の4億50百万円、その他の売上高は2.5倍の3億96百万円、全体の売上総利益率は3.1ポイント上昇して12.9%、完成工事総利益率は0.4ポイント上昇して10.8%、不動産売上総利益率は29.1ポイント上昇して38.5%、その他の売上総利益率は30.7ポイント上昇して34.0%となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が47億30百万円で営業利益が2億57百万円、第2四半期は売上高が54億47百万円で営業利益が3億95百万円だった。

 23年5月期通期の業績(非連結)予想は据え置いている。売上高は22年5月期比7.2%減の280億円、営業利益は6.5%増の20億44百万円、経常利益は5.8%増の20億円、そして当期純利益は8.0%増の13億70百万円としている。配当予想は3円増配の35円(期末一括)としている。

 完成工事高は10.0%増の177億19百万円、完成工事総利益は16.7%増の20億06百万円、不動産売上高は37.1%減の84億49百万円、不動産売上総利益は37.3%減の9億円、共同事業収入は12億53百万円(前年同期は3億17百万円)、共同事業収入総利益は3億47百万円(同18百万円)、その他の売上高は79.9%増の5億76百万円、その他の売上総利益は1億29百万円(同2百万円の赤字)の計画としている。なお全体の売上総利益は6.7%増の33億84百万円、売上総利益率は1.6ポイント上昇して12.1%の計画としている。

 受注高は、22年5月期実績6件合計115億03百万円(うち造注35億72百万円)に対して、23年5月期は7件合計310億円の計画としている。22年10月に(仮称)相模原市緑区橋本二丁目計画ⅠおよびⅡ新築工事、22年11月に(仮称)千葉駅東口西銀座B地区優良建築物等整備事業新築工事など4件を受注し、22年11月30日時点の受注高は6件合計292億55百万円となり、順調に推移している。

 そして通期は増益予想としている。大型案件の本体工事着工等に伴う完成工事総利益率の向上や、第3四半期以降の不動産売上計上などを見込んでいる。第2四半期累計は前期の不動産売上の反動で減益だったが、通期ベースでは積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形となったが、一方では下値固め完了感を強めている。第2四半期累計業績に対してもややポジティブな反応となった。高配当利回りも評価材料であり、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。1月6日の終値は709円、今期予想PER(会社予想のEPS114円91銭で算出)は約6倍、今期予想配当利回り(会社予想の35円で算出)は約4.9%、前期実績PBR(前期実績のBPS585円00銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約95億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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