JFEシステムズ・JFEスチール、「製鉄所における燃料・電力運用ガイダンスシステム」のエネルギー需給予測モデル、燃料・電力シミュレーションの開発に参画

■省エネ・CO2削減をデータサイエンスで支援、製造業DXを推進

 JFEシステムズ<4832>(東証スタンダード)は3月6日、一般社団法人日本エネルギー学会「2022年度日本エネルギー学会・学会賞(技術部門)」を受賞したJFEスチールの「製鉄所における燃料・電力運用ガイダンスシステム」の開発に参画したと発表。

 製鉄所では多くのエネルギーを必要とすることから、所内で発生した「副生ガス」や「蒸気」を工場の稼働、所内発電に再利用するほか、更なる効率的な運用を目指し、データサイエンスを活用した「エネルギー(燃料・蒸気・電力)の需給調整」による、コスト・エネルギー損失の低減に取り組んでいる。

 JFEスチールは、製鉄所の燃料・電力運用における省エネルギー・CO2削減、燃料・電力コスト最小化を目的に、エネルギー需給予測から、都市ガス・電力の外部購入量が最小となるようシミュレーションし、その結果をガイダンスする「燃料・電力運用ガイダンスシステム」を開発、西日本製鉄所(倉敷地区、福山地区)に導入した。

 同ガイダンスシステムは、JFEスチールが活用を推進している「サイバーフィジカルシステム(*)」の概念に基づき、リアルタイムに得られるビックデータ(①)および各工場の詳細な生産計画を使用し、予測対象の物理的現象をモデル化して需給予測計算、現時点から将来にわたる需給状況を高精度に予測する(②)。

 さらに同予測を基に、各種製鉄所内発電設備などの操業制約、特性、契約情報を考慮し(③)、外部からのエネルギー購入量が最小となる運用条件を燃料・電力シミュレーションで求め(④)、その結果をオペレーターにガイダンス(⑤)するものである。

●サイバーフィジカルシステム(CPS)
 フィジカル空間の膨大なセンサー情報(ビックデータ)をサイバー空間に集約し、これを各種手法でフィジカル空間にリアルタイムにフィードバックすることで価値を創出するシステム

 同社は、「エネルギー需給予測モデルの構築」および「燃料・電力シミュレーション(数理最適化計算)の構築」に、検討段階から開発に至る全工程に参画した。

 同社は、2009年から、製造業向けに数理最適化技術を用いた最適化ソリューションの提供を開始、製造業の「限りある資源を、どう最適に活用すれば、最大の収益もしくは最小のリスクになるか」という命題に対し、「IBM CPLEX」、「Gurobi Optimizer」などの数理最適化ソリューションを活用し、大量かつ複雑な条件の組み合わせの中から、生産、在庫、物流、エネルギーの最適条件を選択する意思決定を支援してきた。

 2021年からは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進部門を組織し、JFEグループで蓄積した、数理最適化技術とデータサイエンスを活用した「製造業DXのノウハウ」の実績を土台に、DX新規ビジネスの拡大に取り組んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る