パナソニック エナジー、米ズークス向け電池供給でロボタクシー市場へ本格参入

■2026年初頭から最新2170セルを供給、安全性と実績を強みに事業拡大

 パナソニック ホールディングス<6752>(東証プライム)傘下のパナソニック エナジーは11月26日、米国の自動運転ライドシェアサービス企業ズークス向けに円筒形リチウムイオン電池を供給する複数年契約を締結したと発表した。ズークスはAmazon傘下で自動運転技術を用いたロボタクシー事業を展開しており、同社は2026年初頭から最新の2170セルの供給を開始する計画である。今回の契約により、急成長が見込まれる米国ロボタクシー市場に本格参入し、事業領域の拡大を図る。

 同社の2170セルは、高エネルギー密度、安全性、信頼性を備え、EV分野で約400万台相当の実績を持つ。累計約200億個を超える供給実績があり、車載用セルとしてリコールゼロの評価を維持してきた点も特徴である。今回供給するセルは当初日本で生産し、将来的には米カンザス工場でも生産する計画とされる。ズークスのロボタクシーは高度な安全性と安定稼働が求められ、同社の電池はその中核部品として期待されている。

 ロボタクシー市場は米国で急速な成長が予測されている。市場調査会社Grand View Researchによれば、米国市場は2024年に約4億5000万米ドル規模で、サンフランシスコやロサンゼルスなどでの都市政策を背景に、2030年までに年平均成長率70%超へ拡大するとされる。世界市場規模も2030年には400~500億米ドル超を見込み、北米とアジア太平洋が主要市場として浮上する見通しである。パナソニック エナジーは、この高成長分野で新たな需要を捉え、事業拡大を加速させるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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