積水化学工業は次世代エアモビリティを開発・製造する「Volocopter GmbH」と資本業務提携

 積水化学工業<4204>(東証プライム)は3月6日、次世代エアモビリティ(Advanced Air Mobility、「AAM」)市場において、電動垂直離着陸(Electric Vertical Takeoff and Landing,「eVTOL」)機体およびドローンの開発・製造を行うVolocopter GmbH(本社所在地:ドイツ・ブルッフザール、CEO:Dirk Hoke」)と資本業務提携契約を締結したと発表。今後、eVTOL機体や関連するインフラ整備において、同社の各種材料・技術の適用を目指していく。

■航空・自動車・エレクトロニクス分野での事業拡大に注力

 AAMはeVTOLおよびドローンを用いた航空輸送システムである。その中でeVTOLは、既存の民間航空機やヘリコプターと比べて、電動駆動のため温暖効果ガス排出量が少なく、離着陸時の騒音も小さい持続可能な新しい輸送手段として期待されている。日本国内においても、2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)「未来社会ショーケース事業」内で、初のeVTOLによる「空飛ぶクルマ」運航事業が計画されている。

 同社グループでは、長期ビジョン「Vision 2030」に定めた戦略事業領域の一つに「イノベーティブモビリティ」を位置付け、航空・自動車・エレクトロニクス分野での事業拡大に注力している。

 一方、提携先のVolocopterは、独自のマルチコプター型eVTOL機体と、機体の運用に必要なインフラを開発することで、AAM事業の立ち上げを世界の競合企業に先立ち進めている。なお、同社は2024年に欧州航空安全機構(EASA)よりeVTOL機体の型式証明の取得と、パリ、ローマ、シンガポールとサウジアラビアのネオム地域などでの商用運航サービスの開始を計画している。

■業務提携の内容と今後の取り組みについて

 同社は、Volocopterが開発しているeVTOL機体向けに、航空・自動車・エレクトロニクス分野で培った各種材料・技術の適用・共同開発に加え、日本におけるVolocopterの事業拡大の支援を目的に、今般、資本業務提携契約を締結した。これにより、新しい輸送インフラの発展やサステナビリティの向上に貢献していく。

 同社では、戦略事業領域を拡大・強化するためにスタートアップ企業やアカデミアとの協業を加速させている。新技術・新事業の探索に向け、今後も同様の提携を推進していく。

■3月8日から開催の「VoloCity」エアタクシーのフルサイズ機体モデル展示・試乗会への協賛

 同社は、2023年3月8日~12日にVolocopterが開催する「アーバンエアモビリティ・ショーケース」(会場:グランフロント大阪北館1Fナレッジプラザ)にも協賛しており、イベント内では同内容の発表も予定されている。同イベントではフルサイズの機体モデルの展示および試乗会が予定されており、政府・自治体、株主、パートナー企業と、10日~12日は一般の方も参加できる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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