【注目銘柄】ドウシシャは続落も3Q高利益進捗率業績を手掛かりに下値にバリュー株買い交錯

 ドウシシャ<7483>(東証プライム)は、前日13日に16円安の1941円と続落して引けた。日経平均株価が、米国の金融システム不安が強まったことが響いて311.01円と大幅続落したことから、今年3月10日に昨年来高値2007円まで買われていた同社株にも目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただこの日の寄り付き直後に売られた1914円からは下げ幅をやや縮小させて引けた。今年1月31日に発表した今2023年3月期第3四半期(2022年4月~12月期)業績が、増益転換して着地し今3月期通期業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに下値にバリュー株買いが交錯した。「コカ・コーラ」デザインのシャワーサンダルをパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>(東証プライム)のドン・キホーテで3月上旬から販売することも、インバウンド関連株人気期待を高めている。

■卸売型ビジネスモデルではブランド品が好調でキャラクター玩具も販売強化

 同社の今期3Q業績は、売り上げ847億3700万円(前年同期比5.4%増)、営業利益72億5400万円(同8.9%増)、経常利益74億500万円(同6.5%増)、純利益49億9100万円(同6.4%増)と増益転換し、3月期通期業績に対する利益進捗率は、87%~89%と目安の75%を上回った。開発型ビジネスモデルは、売り上げが416億5100万円(同1.8%増)と伸びたが、セグメント利益は、急激な円安・ドル高や原材料コストの上昇の影響を受け29億6700万円(同13.5%減)と伸び悩んだ。一方、卸売型ビジネスモデルでは、ブランドバッグやスマートウオッチが好調に推移し、アミューズ関連でのアニメキャラクターを用いた玩具商品の販売を強化したことから売り上げが398億2400万円(同10.5%増)、セグメント利益が44億5700万円(同29.7%増)と2ケタ増収増益となったことが要因となった。

 今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ1080億円(前期比6.9%増)、営業利益83億円(同16.7%増)、経常利益84億円(同10.6%増)、純利益56億円(同9.1%増)と新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた前期業績からの増益転換を見込んでいる。今期3Q業績の高利益進捗率からは上ぶれ着地期待も高まってくる。

■2年3カ月ぶりに2000円大台タッチもPBRはまだ0.8倍

 株価は、今期第1四半期・第2四半期業績の伸び悩み業績の発表では1500円を挟む100円幅のボックス相場を続け、新型コロナウイルス感染症拡大の第8波の収束、国際空港での水際対策の緩和とともにインバウンド関連株人気を高めて下値を切り上げ、3Q好決算の発表では上値を伸ばて2020年12月以来、2年3カ月ぶりに2000円台大台にタッチし、高値もみ合いを続けている。PERは11.8倍、PBRは0.86倍となお割安である。まずPBR1倍の1株純資産2255.98円のクリアが有力となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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