【注目銘柄】AVILENは続落も3Q高成長業績を見直して生成AI関連株人気が再燃余地

 AVILEN<5591>(東証グロース)は、前日14日に209円安の2181円と3営業日続落して引けた。朝方に2450円と反発して始まったものの、東証グロース市場指数が、0.57%安と反落したことから、一転して今年12月4日に上場来高値2780円まで買い進まれていた同社株にもポジション調整売りが続いた。ただこの株価水準は、今年9月27日の新規株式公開(IPO)時の公開価格2120円目前となっている。IPO後の初決算として11月13日に発表した今2023年12月期第3四半期(2013年1月~9月期、3Q)業績が、高成長して着地したことや、11月29日に発表した三菱UFJ銀行への生成AI(人工知能)による業務改革支援などを見直し、生成AI関連株人気の再燃の仕切り直しも期待される。下げた株ほど良く戻るとするリターン・リバーサル買いも一考余地がありそうだ。

■累積取引会社数が31%増と続伸し案件単価も上昇傾向

 今期3Q業績は、売り上げ6億5100万円(前年同期比26.6%増)、営業利益1億1000万円(同93.5%増)、経常利益1億円、純利益7100万円(同76.8%増)と大幅増収増益となった。同社は、独自の生成AI「AVILEN AI」を活用したAIソフトウエアの開発・実装をするAIソフトウエアユニットと、AI技術で人間のように自然な会話ができるChatGPTにより業務プロセスの改革を支援しAI人材を育成する組織開発サービスのChatアイデアソンを展開するビルトアップユニットを経営の2本柱としている。この取引累計取引会社数は、666社(同31.1%増)と伸びており、AIソフトウエアユニットの売り上げが3億3000万円(同82.9.1%増)、ビルトアップユニットが同3億2000万円(同4.1%減)となり、AIソフトウエアユニットを中心に案件単価が上昇傾向にあり、適切なコストコントロールも寄与して売上総利益が、4億5300万円(同41.3%増)となったことが要因となった。今12月期通期業績は、IPO時の予想通りに売り上げ9億6800万円(前期比32.6%増)、営業利益2億3600万円(同2.14倍)、経常利益2億1100万円(同91.8%増)、純利益1億4700万円(同86.7%増)と見込んでいる。

 ただこの3Q以降も11月13日には政令指定都市の京都市とDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に向けた生成AI活用の連携協定を締結し、11月29日には三菱UFJ銀行への生成AIによる業務改革支援も発表しており、一段の業績押し上げが期待されている。

■直近IPO株人気とのダブル効果で値幅取りへリターン・リバーサル

 株価は、公開価格2120円でIPOされ2482円で初値をつけ、IPO人気の反動で一時上場来安値1842円まで調整したが、今期3Qの好決算、京都市との連携協定、三菱UFJ銀行への業務改革支援と好材料が続いて生成AI関連株人気を増幅して上場来高値2780円まで買い進まれた。足元では、このスピード調整から下値を確かめる動きが続けている。直近IPO株のなかでも数少ない上場来高値追い銘柄として値幅効果を発揮したことから、直近IPO株人気と生成AI関連株人気のダブル効果でリターン・リバーサル期待を高めよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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