【注目銘柄】旭有機材は業績上方修正・連続最高純益を手掛かりに割安半導体関連株買いが再燃へ

■株価はダブルボトムからリバウンド相場が本格化

 旭有機材<4216>(東証プライム)は、前日9日に55円高の3900円と反発して引け、前々日8日の深押し場面から出直る動きを強めた。同社が、今年10月31日に発表した今2024年3月期業績の上方修正で、今期純利益が、期初の減益転換予想から増益となり、連続して過去最高を更新することを手掛かりに半導体関連の割安株買いが再燃した。テクニカル的にも10月につけた3400円と3420円の安値でダブルボトムを形成しこのネックラインの3400円を明確に上放れていることからリバウンド相場が本格化するとして買い材料視もされている。

■国内の半導体関連大型案件が下支えし米中向け高付加価値製品も寄与

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを20億円、営業利益を25億円、経常利益を26億円、純利益を20億円それぞれ引き上げ、売り上げ860億円(前期比11.5%増)、営業利益145億円(同21.4%増)、経常利益148億円(同21.9%増)、純利益100億円(同6.1%増)と見込んだ。純利益は、期初に前期に計上した繰延税金資産計上に伴い法人税等調整額がマイナス11億4300万円となった税金費用の反動で前期比15.1%減と減益転換を予想していたが、これをカバーして続伸し前期の過去最高94億2500万円を連続更新する。

 上方修正要因は、管材システム事業が国内の大型工事案件に支えられ堅調に推移し、米国の半導体関連産業の設備投資に伴う需要を先取り、米国、中国向けの付加価値の高い製品の販売や円安の影響が加わったことによる。同社の業績は、前期も四半期決算発表のたびに3回も上方修正され、なおかつ実際の前期業績はその再々上方修正値を上ぶれて着地しており、今期も内外の半導体関連の設備投資ラッシュを受け、同様の業績上ぶれ推移が期待されている。

■ダブルボトムからPER7倍の割安修正で年初来高値奪回へ再発進

 株価は、年初来安値2602円から下値切り上げて推移し、今期業績の連続増益予想で4500円をつけ、今期第1四半期の高利益進捗率業績を手掛かりに窓を開けて年初来高値5040円まで買い進まれた。同高値後は、世界的な波乱相場の波及で下値を探り、25日線が75日線を下抜けデッドクロスを示現して調整相場入りを示唆した。ただ10月4日につけた3400円安値と10月24日につけた3420円安値でダブルボトムを形成し、このネックライン3420円を上抜き75日線にも接近していることからリバウンド相場の本格化を示唆している。投資採算的にもPERは7.4倍、PBRは1.2倍と割安であり、年初来高値奪回へ再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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