【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インタースペースは10月16日の直近安値で下値確認、好業績見通しを評価して出直り

銘柄分析

ネット広告やソーシャルアプリを展開するインタースペース<2122>(東マ)の株価は、1400円近辺の戻り高値圏から反落し、全般地合い悪化も影響して10月16日の943円まで調整したが、足元では1100円台まで戻して調整一巡感を強めている。10月27日には1172円、10月28日には1150円まで戻す場面もあった。下値を確認した形であり、好業績見通しを評価して出直り展開だろう。

アフィリエイト(成果報酬)型のインターネット広告事業を主力として、コンテンツやソーシャルアプリなどのメディア運営事業も展開している。

インターネット広告事業はアフィリエイトサービス「アクセストレード」を中心に事業展開し、携帯電話ショップをネットワーク化した店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も日本最大規模の店舗ネットワークに成長している。メディア運営事業では、日本最大級のママ向けコミュニティサイト「ママスタジアム」月間利用者数が200万人を突破している。

中期成長に向けた重点戦略としては、インターネット広告事業では自社プロダクト重視によるアフィリエイト強化や利益率改善、メディア運営事業では既存事業の拡大・収益改善および新規メディア領域への投資、海外事業では中国などでの営業強化を掲げている。

アライアンス戦略では13年10月モバイル広告ネットワーク事業の米アーキと戦略的業務提携、13年11月O2Oマーケティングソリューション事業のモギーと資本業務提携、13年12月中国・上海の子会社ISUCが中国最大アフィリエイトネットワーク「億起発(イーチーファー)」を提供するEMAR(イーマー)と業務提携した。

また14年5月にはクーポン情報メディア「クーポンランド」運営のサイファに出資し、14年7月には日本最大級のクラウドソーシングサービス「ランサーズ」運営のランサーズと業務提携した。そして14年8月にはスマートフォンアプリ向け動画広告配信ネットワーク「AppVador」運営のアップベイダーと資本提携した。

前期(14年9月期)の連結業績見通しは8月5日に増額修正して、売上高が前期比9.5%増の166億20百万円、営業利益が同30.7%増の7億73百万円、経常利益が同30.5%増の7億79百万円、純利益が同2.0倍の4億円、配当予想は前回予想(13年11月12日公表)を据え置いて前期と同額の年間5円(期末一括)としている。

インターネット広告事業ではスマートフォン広告が増加基調であり、アフィリエイトサービス「アクセストレード」がeコマース分野やサービス分野を中心として好調に推移する。店舗アフィリエイトサービス「ストアフロントアフィリエイト」も新規店舗ネットワークの開拓などで順調のようだ。

メディア事業では「ママスタジアム」ユニークユーザー数増加でメディア広告売上が増加基調である。ソーシャルゲームでは既存の女性向け恋愛ソーシャルゲーム「愛しのショコラティエ」と「プリンセス・クローゼット」が堅調であり、新作リリースも寄与する。

第3四半期累計(10月~6月)は前年同期比7.3%増収、同52.9%営業増益、同51.7%経常増益、同2.2倍最終増益の大幅増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が73.7%、営業利益が83.5%、経常利益が82.7%、純利益が88.0%と高水準だった。通期利益は再増額の可能性が高いだろう。インターネット広告市場は拡大基調であり、今期(15年9月期)以降も好業績が期待される。

株価の動きを見ると、1400円近辺の戻り高値圏から反落し、全般地合い悪化も影響して10月16日の943円まで調整したが、足元では1100円台まで戻して調整一巡感を強めている。10月27日には1172円、10月28日には1150円まで戻す場面もあった。好業績見通しを再評価する動きだろう。

10月28日の終値1129円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS59円21銭で算出)は19倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は0.5%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS360円24銭で算出)は3.1倍近辺である。週足チャートで見ると直近安値圏で下ヒゲを付け、26週移動平均線突破の動きを強めている。下値を確認した形であり、好業績見通しを評価して出直り展開だろう。

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