インテリジェントウェイブは23年6月期3Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

(決算速報)
インテリジェントウェイブ<4847>(東証プライム)は5月10日の取引時間終了後に23年6月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。既存顧客のFEPシステム更改に伴うハードウェア販売の増加、クラウドサービスの利用ユーザー数増加、クレジットカード会社向けシステム開発の大型案件などで大幅増収増益だった。そして通期の大幅増収増益予想を据え置いた。クラウドサービスが本格化する見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお、サステナビリティに関する重要課題(マテリアリティ)を特定・公表した。株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■23年6月期3Q累計大幅増収増益と順調、通期も大幅増収増益予想

5月10日発表した23年6月期第3四半期累計(7月~3月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比26.3%増の98億96百万円、営業利益が20.4%増の11億36百万円、経常利益が19.9%増の11億57百万円、四半期純利益が18.5%増の7億80百万円だった。

既存顧客のFEP(Front End Processing)システム更改に伴うハードウェア販売の増加、クラウドサービスの利用ユーザー数増加、クレジットカード会社向けシステム開発の大型案件などで大幅増収増益だった。

なお、クラウドサービスの売上高は70.4%増の13億51百万円、売上総利益は27.4%減の69百万円だった。全体として大幅増収だったが、一部サービスにおいて利用ユーザー数拡大に対応するための体制強化費用が増加したため、売上総利益は減少した。今後は運用体制を抜本的に見直して早期の収益改善に取り組むとしている。

売上高の内訳はソフトウェア開発が15.2%増の35億07百万円、当社製品が54.7%減の1億53百万円、システムサービスが34.8%減の20百万円、他社製品が2.2倍の14億54百万円、保守が18.1%増の23億04百万円、他社製品保守が18.4%増の5億41百万円、サービス自社が54.2%増の15億26百万円、サービス他社が6.9%増の3億88百万円だった。フロー/ストック別売上高は、一時点で移転される財およびサービスが30.1%増の32億13百万円、一定期間にわたり移転される財およびサービスが24.6%増の66億83百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が36億46百万円で営業利益が4億83百万円、第2四半期は売上高が31億43百万円で営業利益が3億20百万円、第3四半期は売上高が31億07百万円で営業利益が3億33百万円だった。

通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が22年6月期比17.5%増の135億円、営業利益が18.4%増の18億円、経常利益が18.2%増の18億40百万円、当期純利益が21.2%増の12億80百万円としている。配当予想は22年6月期比3円増配の20円(期末一括)としている。

クラウドサービスが本格化する見込みだ。なおクラウドサービスの22年6月期の受注高は大型案件の複数受注で21年6月期比350.7%増の34億61百万円、期末受注残高は41億41百万円となっている。これらの受注の売上計画は23年6月期20億円、24年6月期25億円としている。

第3四半期累計の進捗率は売上高が73.3%、営業利益が63.1%、経常利益が62.9%、当期純利益が60.9%である。利益進捗率がやや低水準の形だが、下期の構成比が高い特性やクラウドサービスの収益寄与本格化などを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能と考えられる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は反発の動き

株価は下値固め完了して反発の動きを強めている。週足チャートで見ると抵抗線となっていた26週移動平均線を突破する動きだ。好業績を評価して出直りを期待したい。5月10日の終値は726円、今期予想PER(会社予想EPS48円70銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想20円で算出)は約2.8%、前期実績PBR(前期実績BPS305円87銭で算出)は約2.4倍、そして時価総額は約191億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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