フライトホールディングスは23年3月期3累計赤字縮小だが通期予想を下方修正

(決算速報)
 フライトホールディングス<3753>(東証スタンダード)は2月10日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。サービス事業における前期の大型案件の反動などで減収だったが、コンサルティング&ソリューション事業の堅調な推移などで赤字縮小した。通期予想については下方修正した。サービス事業において、マイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス向けの「myVerifist」の立ち上げ遅れなどが影響する見込みだ。ただし有望案件が目白押しであり、24年3月期の収益拡大を期待したい。株価はマイナンバーカード関連を材料視して急伸する場面があったが、22年10月の昨年来高値圏から反落してモミ合う形だ。ただし調整一巡感を強めている。下方修正に対するネガティブ反応も限定的だろう。

■23年3月期3累計赤字縮小だが通期予想を下方修正

 23年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比3.1%減の19億64百万円、営業利益が81百万円の赤字(前年同期は1億08百万円の赤字)、経常利益が97百万円の赤字(同1億08百万円の赤字)、親会社株主帰属四半期純利益が99百万円の赤字(同1億10百万円の赤字)だった。サービス事業における前期の大型案件の反動などで減収だったが、コンサルティング&ソリューション(C&S)事業の堅調な推移などで赤字縮小した。

 C&S事業は、売上高が22.8%増の7億49百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が1億04百万円の黒字(前年同期は3百万円の赤字)だった。事業会社の基幹システム開発や既存顧客向けのシステム開発・保守などが堅調に推移した。

 サービス事業は、売上高が10.2%減の11億30百万円、利益が63.6%減の51百万円だった。前期に電子決済ソリューション「Incredist」の大型納品があった反動で大幅減収減益だった。

 ECソリューション事業は、売上高が45.9%減の85百万円、営業利益が26百万円の赤字(同40百万円の赤字)だった。前期のプロジェクト損失計上の反動で赤字縮小した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億62百万円で営業利益が24百万円の赤字、第2四半期は売上高が6億33百万円で営業利益が47百万円の赤字、第3四半期は売上高が6億69百万円で営業利益が10百万円の赤字だった。

 通期連結業績予想は2月10日付で下方修正し、売上高が22年3月期比6.5%減の30億40百万円、営業利益が62.0%減の60百万円、経常利益が80.6%減の30百万円、親会社株主帰属当期純利益が91.2%減の10百万円とした。

 前回予想に対して売上高を4億60百万円、営業利益を1億60百万円、経常利益を1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億40百万円、それぞれ下方修正した。サービス事業におけるマイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス向けの「myVerifist」の立ち上げ遅れが影響し、さらに電子決済ソリューション「Incredist Premium Ⅱ」についても、円安や半導体不足による値上げに対して取引先で発注を控える動きが見られることも影響するようだ。

 23年3月期予想を下方修正したが、引き続きC&S事業では既存顧客向けシステム開発、DX推進支援、クラウドサービスを活用したシステム開発支援、サービス事業ではマイナンバーカード対応の決済ソリューション「Incredist Premium Ⅱ」や無人精算機向け「VP6800/IFC」の拡販、マイナンバーカードを用いた公的個人認証サービス、Android携帯を活用したタッチ決済ソリューション「Tapion」の開発・拡販、ECソリューション事業では開発スケジュールが遅延している大型開発案件の収束、既存顧客向けECサイト構築パッケージ「EC-Rider B2B」のカスタマイズ対応に注力する方針だ。有望案件が目白押しであり、24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価はマイナンバーカード関連を材料視して急伸する場面があったが、22年10月の昨年来高値圏から反落してモミ合う形だ。ただし調整一巡感を強めている。下方修正に対するネガティブ反応も限定的だろう。2月10日の終値は469円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS1円06銭で算出)は約442倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS56円50銭で算出)は約8.3倍、そして時価総額は約44億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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