テンポイノベーションは23年3月期増収増益・増配、24年3月期も増収増益で連続増配予想

(決算速報)
テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は5月11日の取引時間終了後に23年3月期連結業績を発表した。23年3月期から連結決算に移行のため前期比増減率は非記載だが、22年3月期の非連結業績との単純比較で増収増益だった。店舗転貸借事業において、ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数および契約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業も寄与した。そして24年3月期も増収増益で連続増配予想としている。なお中期経営計画を策定し、配当方針も変更して配当性向を引き上げる方針とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は3月の上場来高値圏から反落したが調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や配当方針変更を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期増収増益・増配、24年3月期も増収増益で連続増配予想

23年3月期の連結業績(店舗家賃保証事業を行う子会社の店舗セーフティーを設立して連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が130億70百万円、営業利益が12億12百万円、経常利益が12億66百万円、親会社株主帰属当期純利益が8億85百万円だった。配当は22年3月期比4円増配の16円(期末一括)とした。配当性向は31.8%となる。

22年3月期非連結業績(売上高114億15百万円、営業利益9億09百万円、経常利益9億86百万円、当期純利益6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は14.5%増収、営業利益は33.3%増益、経常利益は28.4%増益、親会社株主帰属当期純利益は33.7%増益だった。

実質的に大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において、ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数および契約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業も寄与した。

店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が121億93百万円(22年3月期の104億45百万円との単純比較で16.7%増収)で、セグメント利益(営業利益)が9億61百万円(同7億23百万円との単純比較で32.9%増益)だった。転貸借物件数および契約件数が順調に増加し、増収効果で販管費の増加を吸収した。重点施策として、営業力増強に向けた採用・教育や、転貸借物件数増加に対応するための物件管理の質的・量的強化を推進した。転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は29.6%増加して407件、期末の転貸借物件数は245件増加して1951件となった。

不動産売買事業は売上高が8億76百万円で、セグメント利益が2億50百万円だった。5物件を売却、8物件を取得して期末保有物件数は6件となった。なお22年3月期(5物件売却、6物件取得して期末保有物件数3件)は、売上高が9億70百万円でセグメント利益が1億86百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円、第3四半期は売上高が37億71百万円で営業利益が4億68百万円、第4四半期は売上高が16億55百万円で営業利益が3億03百万円だった。なお四半期業績は不動産売買事業のイニシャル収入によって変動する可能性があるが、ストック収益となる店舗転貸借事業のランニング収入は順調に伸長している。

24年3月期連結業績予想は売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。中期経営計画(24年3月期~26年3月期)を策定するとともに、配当方針も変更して配当性向を引き上げる方針とした。

24年3月期も転貸借物件数および契約件数が順調に増加して増収増益予想としている。不透明感や人材投資などを考慮して各利益は小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的な印象が強く、会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は3月の上場来高値圏から反落したが調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績や配当方針変更を評価して上値を試す展開を期待したい。5月11日の終値は1203円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.7%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約6.4倍、そして時価総額は約213億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る