【株式市場特集】トヨタに続け!PBR1倍割れの割安銘柄を徹底分析、自動車・資源・鉄鋼株に注目

■円安・ドル高や中国関連で業績回復期待

 今週の当特集では、「第2トヨタ」へ追随が期待できる銘柄として、日経平均株価の構成銘柄のうち、PBR1倍割れでPER評価がトヨタの12.2倍を下回る割安銘柄に注目することにした。相場観というよりは比較感での銘柄スクリーニングで、これから株主総会を迎える会社がほとんどと状況も類似しているだけに、トヨタと同様にPBR1倍割れからPBR1倍クリアだけでもかなりの値幅効果が想定されるからだ。円安・ドル高関連株、景気敏感株、資源関連株、中国関連株などが幅広く浮上することになり、「第2のトヨタ」として相場全般をかさ上げ、牽引してくれることも期待したい。

■同業の自動車株や資源株の一角には円安・ドル高や中国関連の追い風

 「第2のトヨタ」でまず注目は、トヨタと同業他社の自動車株となる。このうちPBR1倍割れはコード番号順にあげると日産自動車<7201>(東証プライム)、三菱自動車<7211>(東証プライム)、マツダ<7261>(東証プライム)、ホンダ<7261>(東証プライム)の4社となる。円安・ドル高への為替感応度は、1円円安で営業利益が対ドルで450億円、対ユーロで60億円上ぶれるトヨタには及ばないものの、ホンダでは同様に120億円、15億円と試算されている。前週に相次いで開催された日米中央銀行の金融政策決定会合では、現状維持が決定され日米金利格差の拡大で一段の円安・ドル高が進んでおり、業績寄与が期待される。4社のPERも、トヨタを下回る6倍台~9倍台と割安で、配当利回りもマツダ、ホンダは3%台とトヨタの2.68%を上回る。

 資源関連株でも、円安・ドル高が業績の追い風となるのが、INPEX<1605>(東証プライム)でPBRは0.56倍、PERは7.12倍、配当利回りは3.90%で、前週末に年初来高値を更新したが、34円へ増配する今12月期中間配当の権利取りも一考余地がある。また出光興産<5019>(東証プライム)、ENEOSホールディングス<5020>(東証プライム)も、足元の原油価格反発や中国の経済対策期待でPBR1倍割れ修正が有望となる。中国関連では、鉄鋼大手の日本製鉄<5401>(東証プライム)、神戸製鋼所<5406>(東証プライム)、JFEホールディングス<5411>(東証プライム)も外せない。

■業績は減益転換予想も配当は増配し高利回り水準をキープ

 日経平均株価構成銘柄のうちでも時価総額が相対的に小規模なPBR1倍台割れ銘柄では、ニッスイ<1332>(東証プライム)、横浜ゴム<5101>(東証プライム)、太平洋セメント<5233>(東証プライム)、住友重機械工業<6302>(東証プライム)、シチズン時計<7762>(東証プライム)、三菱倉庫<9301>(東証プライム)が上げられ、不動産の東急不動産ホールディングス<3289>(東証プライム)、東京建物<8804>(東証プライム)もこの一角を形成する。シチズン時計の今3月期業績は減益転換予想にあるが、配当は、連続増配し配当利回りは4.64%と高位にある。

 メガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)と三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)、保険株のMS&ADインシュアランスグループホールディグス<8725>(東証プライム)、第一生命ホールディングス<8750>(東証プライム)は、今回の日銀の金融政策決定会合では現状維持となったが、今年7月27日、28日開催予定の次回会合の動向がポイントとなりそうだ。コンテナ市況の低迷と高配当利回り買いが交錯して下値攻防となっている海運大手3社の日本郵船<9101>(東証プライム)、商船三井<9104>(東証プライム)、川崎汽船<9107>(東証プライム)も、中国の金利引き下げ策、経済対策を手掛かりにリカバリーするか要注目となり、この金融・海運セクター株は、粘り勝ちを狙うのも一法となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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