【株式市場特集】旅行関連株の割安銘柄を探せ!夏休み前に狙うべきセクターと個別株

■割安でインパクトのある銘柄をピックアップ

 夏休み前に旅行費用の捻出狙いも兼ねて、今週の当特集は、旅行関連株に照準を定めることを第一チョイスとした。旅行代理店、公共交通機関、ホテル・旅館、テーマパーク、土産物などが幅広く関連して2兆9000億円の争奪戦を繰り広げことになり、そのなかでも割安関連株に打診買いするのも一考余地がありそうだ。

■公共交通機関へのシフトが高まり新幹線、国内航空株に旅客増期待

 旅行関連の利用交通手段では、コロナ禍下では感染予防のために自家用車の使用比率が高かったが、「5類」移行とともに公共交通機関の新幹線、航空機へのシフトが高まっているのがJTBの調査から明らかになっている。この関連の割安株としては、まず新幹線の東海旅客鉄道<JR東海、9022>(東証プライム)、九州旅客鉄道<JR九州、9142>(東証プライム)が上げられ、とくにJR九州は、昨年9月開業の西九州新幹線がフル寄与しそうだ。航空機では主力エアラインよりも新規エアラインのスカイマーク<9204>(東証グロース)、スターフライヤー<9206>(東証スタンダード)の出遅れ感が目立つ。スターフライヤーの今2024年3月期の純利益は、12億3000万円(前期実績7300万円の黒字)と高変化が予想され、1株純資産はマイナスで、配当も無配継続となるが、PER評価はわずか8倍台でしかない。

 テーマパーク関連株では、オリエンタルランド<4661>(東証プライム)が大本命となるが、割安株限定となると遊戯機械の三精テクノロジーズ<6357>(東証スタンダード)と「ムーミンバレーパーク」のフィンテック グローバル<8789>(東証スタンダード)が要注目となる。グループ会社でフェリーやクルーズ船を運航の商船三井<9104>(東証プライム)も、今期業績は減益予想にあるが低PER・高配当利回りを誇り、同じくクルーズ船運航の日本郵船<9101>(東証プライム)、観光船とカーフェリー運航の東京汽船<9193>(東証スタンダード)とともに、関連株の一角を形成する。

■ホテル・旅館株、土産物関連株、生き残りのアウトドアスポーツ株にもチャンス

 宿泊施設のホテル・旅館関連の割安株では、コード番号順にワシントンホテル<4691>(東証スタンダード)、アメイズ<6076>(福証)、グリーンズ<6547>(東証スタンダード)、西武ホールディングス<9024>(東証プライム>、藤田観光<9722>(東証プライム)と続く。このうち地方銘柄のアメイズは、前週末7日に年初来高値を更新したが、九州地区で進められている半導体工場の新設に関連する宿泊需要も業績に寄与し、今11月期第1四半期業績は、第2四半期累計予想業績対比で高利益進捗して着地しており、前期と同様に第2四半期決算開示時の業績上方修正も期待される。

 このほか割安株を上げると土産物関連のタカチホ<8225>(東証スタンダード)、旅行代理店のKNT-CTホールディングス<9726>(東証スタンダード)が該当する。また昨年の夏休み期間に「ウイズ・コロナ株」関連で人気化した新型コロナ感染症への感染リスクの低いアウトドアスポーツ株では、ゴルフの藤倉コンポジット<5121>(東証プライム)、バリューゴルフ<3931>(東証グロース)、キャンプのヒマラヤ<7514>(東証プライム)、フィッシングのグローブライド<7990>(東証プライム)、野球のゼット<8135>(東証スタンダード)、スポーツウエアのゼビオホールディングス<8281>(東証プライム)などが、生き残りの数少ない割安株となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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