【どう見るこの相場】7月相場は旅行関連株が狙い目!夏休み前に2兆9000億円の市場を攻略する

■7月相場の重要イベントと割安銘柄をチェック

 どうも夏休みは、お盆休みよりも早めに取った方が無難なようである。7月相場の雲行きが、何だかおかしいからだ。生成AI(人工知能)・半導体株祭りや海外投資家の爆買いで、6月の日経平均株価が、月間で2300円超も棒上げしてバブル相場崩壊後、33年ぶりの高値までリバンドしたのとは様変わりとなっている。この6月下旬から前週末7日に掛けて日経平均株価が、1200円安と波乱展開したのも、年金基金のリバランス(資産の再配分)売りや上場投資信託(ETF)の決算期末の分配金捻出のための換金売りなどの需給要因といわれていたが、それを確かめる必要もある。

 しかも7月下旬には、日米両市場とも月末に重要イベントが控えている。7月25日、26日には米連邦準備制度理事会(FRB)の公開市場委員会(FOMC)、次いで27日、28日には日本銀行の金融政策決定会合の各開催が予定されている。FOMCでは、政策金利引き上げの再開が市場コンセンサスとなっており、FRBの金融引き締め策の長期化のタカ派政策により米国景気がハードランディングするかそれともソフトランディングできるのか問われることになる。足元では、金融引き締め策にもかかわらず景気や企業業績が影響を受けないノーランディング・シナリオも台頭しているらしい。対して、金融政策決定会合で金融政策正常化が見送りになったりしたら、それこそ為替相場がどこまで円安・ドル高で反応するか、7月後半から始まる3月期決算会社の第1四半期決算にプラスかマイナスか見極めなければならない。

 それに世の中は、とっくに夏休むムードに入っている。JTBが、今年7月7日に発表した「2023年夏休み(7月15日~8月31日)旅行動向」調査では、国内旅行人数(延べ)は、7250万人と昨年2022年を16.9%上回るとともに、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)前の2019年の7240万人を4年ぶりに上回る。今年5月8日に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが、「5類」に引き下げられたことによるリベンジ消費のほか、賃上げ、夏のボーナスの大盤振舞いによる取得効果、訪日外国人観光客の回復、さらに今年7月以降も全国旅行支援のキャンペーンを継続する自治体が、31自治体にのぼることなどがサポートする。JTBでは、国内旅行消費額を2兆9000億円(前年比26.4%増)と見積もっている。

 足元では、活発化している梅雨前線が、九州・中国地方などに甚大な大雨被害を頻発させており、被災地の方々にはお見舞い申し上げる。ただこれも、申訳ないが関東甲信地方では例年通りなら7月19日ごろに梅雨明けし、7月20日には全国の小・中学校のほとんどが学期末を迎えて21日から夏休みに入り、夏休み本番となる。ということで、夏休み前に旅行費用の捻出狙いも兼ねて今週の当特集では、旅行関連株に照準を定めることを第一チョイスとした。旅行代理店、公共交通機関、ホテル・旅館、テーマパーク、土産物などが幅広く関連して2兆9000億円の争奪戦を繰り広げことになり、そのなかでも割安関連株に打診買いするのも一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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