綿半ホールディングスは24年3月期1Q減収減益だが、通期増収増益予想据え置き

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は7月27日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。前期に大幅伸長した建築事業の反動などにより減収減益だった。ただし通期の増収増益予想は据え置いている。各事業とも概ね順調に推移する見込みだ。足元では建設事業の受注・売上とも計画どおりの進捗としている。積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大基調に変化はないだろう。株価は上値を切り下げる形だが調整一巡感を強めている。目先的には第1四半期業績を嫌気する可能性があるが、下値限定的だろう。

■24年3月期1Q減収減益だが、通期増収増益予想を据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比3.9%減の297億62百万円、営業利益が51.6%減の2億40百万円、経常利益が39.4%減の3億92百万円、親会社株主帰属四半期純利益が31.2%減の2億28百万円だった。前期に大幅伸長した建築事業の反動などにより減収減益だった。

 小売事業は売上高が3.9%増の199億56百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が29.2%減の3億58百万円だった。売上面は前期第2四半期にオープンした2店舗(綿半スーパーセンター上田店、綿半スーパーセンター権堂店)も寄与して増収だが、利益面は店舗改装費用、電力料金高止まり、人件費増加などの影響で減益だった。

 建設事業は売上高が24.9%減の79億54百万円、利益が2億18百万円の損失(前年同期は1億84百万円の利益)だった。前期に大幅伸長した反動で大幅減収減益だった。

 貿易事業は売上高が50.1%増の16億48百万円、利益が567.2%増の2億91百万円だった。前期との納入時期のズレの影響で大幅増収増益だった。その他(不動産事業など)は売上高が174.0%増の2億03百万円、利益が35.4%増の49百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比2.8%増の1380億円、営業利益が13.4%増の27億24百万円、経常利益が2.0%増の31億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.9%増の18億50百万円としている。配当予想は23年3月期比1円増配の23円(期末一括)としている。9期連続増配予想で、予想配当性向は24.7%となる。

 セグメント別の計画は、小売事業の売上高が3.6%増の804億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.9%増の9億60百万円、建設事業の売上高が0.4%増の498億円で利益が0.1%増の18億90百万円、貿易事業の売上高が2.3%増の61億37百万円で利益が27.3%増の7億34百万円としている。各事業とも概ね堅調に推移する見込みだ。

 なお第2四半期累計の計画については、売上高が前年同期比2.3%増の657億63百万円、営業利益が20.6%減の8億95百万円、経常利益が26.9%減の10億40百万円、親会社株主帰属四半期純利益が10.5%減の6億30百万円としている。期初時点で全体として下期偏重の計画としている。

 第1四半期は前期に大幅伸長した建築事業の反動などにより減収減益だったが、通期ベースでは各事業とも概ね順調に推移する見込みだ。足元では建設事業の受注・売上とも計画どおりの進捗としている。積極的な事業展開により通期ベースでの収益拡大基調に変化はないだろう。

■株価は下値限定的

 株価は上値を切り下げる形だが調整一巡感を強めている。目先的には第1四半期業績を嫌気する可能性があるが、下値限定的だろう。7月27日の終値は1370円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS92円99銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1068円23銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約273億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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