ケンコーマヨネーズは24年3月期1Q減益だが通期大幅増益予想据え置き

(決算速報)
 ケンコーマヨネーズ<2915>(東証プライム)は8月10日の取引時間終了後に24年3月期第1四半期連結業績を発表した。売上面は外食分野の回復などで増収だが、利益面は原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響を価格改定効果などでカバーできず大幅減益だった。ただし通期の大幅増益予想を据え置いた。原材料価格・エネルギーコストの高止まりを見込むが、さらなる価格改定や生産性向上で収益性改善を推進する方針だ。第1四半期は減益だったが、積極的な事業展開により通期ベースでの収益回復を期待したい。株価は戻り一服となってモミ合う形だ。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRも支援材料であり、下値限定的だろう。

■24年3月期1Q減益だが通期大幅増益予想据え置き

 24年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比6.6%増の214億02百万円、営業利益が42.0%減の1億99百万円、経常利益が29.5%減の2億44百万円、親会社株主帰属四半期純利益が41.6%減の1億42百万円だった。売上面は外食分野の回復などで増収だが、利益面は原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響を価格改定効果などでカバーできず大幅減益だった。

 調味料・加工食品事業は売上高が6.8%増の166億97百万円、セグメント利益(調整前経常利益)が88.4%減の22百万円だった。売上面は、タマゴ加工品が高病原性鳥インフルエンザ感染拡大で鶏卵を安定的に確保することが困難だった影響で販売制限を行ったため減収だが、サラダ・総菜類が価格改定効果や外食チェーンのプロモーションへの採用などで増収、マヨネーズ・ドレッシング類が価格改定効果や量販店向け拡販などで増収だった。利益面は、原材料価格・エネルギーコスト高騰の影響を価格改定効果などでカバーできず大幅減益だった。

 総菜関連事業等は売上高が6.3%増の44億72百万円、利益が28.3%増の2億31百万円だった。価格改定、高単価品の開発・販売、販売カテゴリー拡大などの効果で増収増益だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が23年3月期比6.1%増の874億円、営業利益が11.6倍の12億20百万円、経常利益が7.7倍の13億円、親会社株主帰属当期純利益が17.4%増の5億70百万円としている。配当予想は23年3月期比8円増配の25円(第2四半期末10円、期末15円)としている。予想配当性向は71.3%となる。

 原材料価格・エネルギーコストの高止まりを見込むが、さらなる価格改定や生産性向上で収益性改善を推進する方針だ。第1四半期は減益だったが、積極的な事業展開により通期ベースでの収益回復を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は戻り一服となってモミ合う形だ。ただし大きく下押す動きも見られない。目先的には第1四半期業績を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、1倍割れの低PBRも支援材料であり、下値限定的だろう。8月10日の終値は1337円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS35円05銭で算出)は約38倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2281円75銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約220億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る