ミロク情報サービスは24年3月期2Q累計営業減益だが通期増益予想据え置き

(決算速報)
 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は10月31日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。先行投資となる新卒入社社員の積極採用やベースアップ・昇給による人件費の増加、広告宣伝・販売促進費の増加などで営業減益だった。ただし売上面は順調だった。そして通期の増益予想を据え置いた。不透明感、サブスクリプション型への移行スピード加速、戦略投資などを考慮して小幅増益にとどまる予想としているが保守的な印象が強い。期末に向けてストック収益が積み上がることを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計営業減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。

■24年3月期2Q累計営業減益だが売上面は順調、通期増益予想据え置き

 24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比6.5%増の211億74百万円、営業利益が9.7%減の27億99百万円、経常利益が1.3%増の28億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が5.3%減の18億31百万円だった。

 先行投資となる新卒入社社員の積極採用(78名)やベースアップ・昇給による人件費の増加、広告宣伝・販売促進費の増加などで営業減益だった。ただし売上面は順調だった。会計事務所・中小企業向け各種ERP製品の販売が好調に推移し、さらに中堅・中小企業向けERP製品のサブスクリプション型への移行促進により、ソフトウェア使用料収入などストック収益となるサービス収入が大幅に伸長した。なお期初計画との比較で見ると、営業利益は1億01百万円、経常利益は77百万円、親会社株主帰属四半期純利益は1億59百万円それぞれ下回ったが、売上高は6億74百万円上回った。

 品目別売上高は、システム導入契約売上高が4.7%増の117億29百万円(内訳はハードウェアが17.4%増の21億68百万円、ソフトウェアが1.5%減の64億75百万円、ユースウェアが10.7%増の30億86百万円)で、サービス収入が11.2%増の77億55百万円(内訳は会計事務所向け総合保守サービスのTVSが0.9%増の12億75百万円、ソフトウェア使用料収入が39.1%増の25億41百万円、企業向けソフトウェア運用支援サービス収入が2.7%増の29億15百万円、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が3.2%増の7億77百万円、サプライ・オフィス用品が15.3%減の2億45百万円)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が104億84百万円で営業利益が14億30百万円、第2四半期は売上高が106億90百万円で営業利益が13億69百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比0.3%増の416億円、営業利益が0.3%増の61億円、経常利益が6.2%増の62億円、親会社株主帰属当期純利益が8.8%増の41億円としている。配当予想は23年3月期と同額の45円(期末一括)としている。

 不透明感、サブスクリプション型への移行スピード加速、戦略投資などを考慮して小幅増益にとどまる予想としているが保守的な印象が強い。第2四半期累計の進捗率は売上高51%、営業利益46%、経常利益46%、親会社株主帰属当期純利益45%と概ね順調である。期末に向けてストック収益が積み上がることを勘案すれば通期会社予想に上振れ余地があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計営業減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが下値限定的だろう。10月31日の終値は1537円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS137円06銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の45円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS813円13銭で算出)は約1.9倍、そして時価総額は約535億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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