【編集長の視点】パルマは最安値から3連騰、底打ちシグナルが点灯し下げ過ぎ直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

パルマ<3461>(東マ)は、105円高の1260円と3営業日続伸して始まり、今年9月10日につけたった上場来安値1050円から底上げしている。同最安値は、テクニカル・セオリー通りに底打ちシグナルとされる長大下ヒゲでつけ、今年8月11日につけた上場来安値から60%の下値調整となっただけに、トレンド転換として下げ過ぎIPO(新規株式公開)株買いが増勢となっている。同社のセルフストレージ事業を展開する独自ビジネスモデルの成長可能性や、今9月期の2ケタ増収増益業績も見直されている。

■同社主力のストレージ事業の国内市場は2025年に5倍増と高成長

同社株は、今年8月11日に公開価格1350円でIPOされ、2302円で初値をつけ上場来高値2540円まで買い進まれたが、中国・上海株急落に巻き込まれて1190円まで調整し、いったん1465円までリバウンドしたが、今度は米国株安の追い討ちで上場来安値まで突っ込んだ。最高値からの下落率は、調整一巡示唆の約59%となり、しかもこの最安値も、長大下ヒゲを引いてつけただけに、底打ち完了の市場コンセンサスにつながっている。

一方、同社の主力ビジネスモデルは、トランクルームなどの貸し収納スペースの利用料金を回収し送金するなどの運営・管理するセルフストレージ事業で、同事業の国内市場規模は、約521億円で、収納ビジネス総室総数は、35万5000室と156世帯に1室の普及率となっているが、米国では、普及率が11世帯に1室となっているだけに、高い成長可能性を示唆している。市場規模は2025年に2500億円に5倍増となるとも観測されているだけに、同社も、積極的に先行投資するとともに、提供するソリューションも、収納スペース専門の検索サイト「ニコニコトランク」を展開するITS、サービス、物件開発・開業支援のターンキーソリューションサービスなどと多角展開している。

このため、同社の業績も高成長が続キ、今2015年9月期業績は、売り上げ7億1500万円(前期比51.4%増)、経常利益1億円(同25.9%増)、純利益5000万円(同30.3%増)と2ケタ増収増益を予想している。

■公開価格奪回から3分の1戻し、半値戻しとリバウンド幅を拡大

株価は、上場来安値からきょう15日高値で210円の底上げとなっているが、なお公開価格に900円の未達と下げ過ぎ解消には至っておらず、まず公開価格を奪回したあと最高値からの調整幅の3分の戻しの1500円台、半値戻しの1800円水準へと一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る