【編集長の視点】アイビーシーはもみ合いも高初値倍率をテコに上値期待を強め直近IPO株買いが続く

編集長の視点

アイビーシー<3920>(東マ)は、410円高の1万2300円と続伸して始まり、連日の上場来高値追いとなったあと、1720円安と下ぶれ高値もみ合いに変わっている。同社株は、今年2015年の62社目の新規株式公開(IPO)株として9月15日に公開価格2920円でIPOされ、初日は買い気配のまま推移し、2日目の前日16日に公開価格を7330円上回る1万250円で初値をつけ、初値倍率3.5倍と今年5番目となった。このため、きょう17日の最高値場面では目先の利益を確保する売り物が交錯している。ただ、下値では今年の初値倍率上位の銘柄は、いずれもその後も上値を追い公開価格の5~6倍超まで買い進まれる値動きの軽さを発揮しており、連想を強めて同社株にも直近IPO株買いが続いている。同社業態が、IPO株の人気業種のネット関連に属し、独自ビジネスモデルを展開していることも、引き続き評価されている。

■コンピューターシステムの性能を1分単位で監視し安定稼働をサポート

同社は、企業のコンピューターネットワークシステムが、安定稼働するためにシステムの性能を監視する自社開発製品「System Answer シリーズ」をライセンス販売するとともに、同シリーズで蓄積した専門技術を活かした分析・調査サービスやネットワークコンサルティングサービス、ネットワーク設計などを行っている。システム監視は、システムが常に変化し続けているため性能を的確に捉える情報収集間隔を1分単位とし、精度の高いデータを分析することで突発的なデータ量の上昇、システムの異常などを迅速に検知し、障害要因となるボトルネックの検出、システムダウンによる機会損失や顧客満足度の低下などのリスクを回避し、自動的にグラフレポートを作成しシステムの運用リスクも削減する。

同シリーズの導入先は、金融業、製造業、小売業などの各業界の大手企業で進み、導入実績は700件を超えている。このため業績も好調に推移しており、今9月期業績は、売り上げ9億7500万円(前期比20.8%増)、営業利益2億6600万円(同23.1%増)、経常利益2億3300万円(同4.4%増)、純利益1億5000万円(同12.0%増)と予想している。

■5~6倍超と上値を伸ばした高初値倍率株との比較感を強めて上値トライ

株価は、最高値追いとなっているが、今年の初値倍率トップのアイリッジ<3917>(東マ)は、その後6倍超、同3位のスマートバリュー<9417>(JQS)は、5倍超まで買い上げられていずれも上場来高値をつけており、まだきょう朝方の高値が、公開価格の4倍超にとどまっている同社株への比較感を強めて上値トライをサポートしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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