【注目銘柄】アドヴァングループは3Q高利益進捗率業績に早期業績開示プレミアムがオン

注目銘柄

■インバウンド需要の復活期待で高級ホテル・住宅施設のニーズ高まる

 アドヴァングループ<7463>(東証スタンダード)は、前日15日に22円高の1087円と急反発して引け、取引時間中には1095円まで買われて今年1月9日につけた昨年来高値1085円を更新した。今年1月12日に発表した今2024年3月期第3四半期(2023年4月~12月期、3Q)業績が、大幅増益転換して着地し、すでに今3月期通期予想利益を上回る高利益進捗率を示したことを見直しバリュー株買いが再燃した。また同社は、決算発表ではあみやき亭<2753>(東証プライム)と業績開示の一番乗りを競う常連株で、今回は決算発表が、今年1月4日に今3月期3Q決算を早期開示したあみやき亭より約1週間後発となったが、あみやき亭の株価が、決算発表後に600円超高の棒上げを演じたことから、比較感も働いている。

■為替予約評価益が約51億円発生し前年同期のマイナスからプラス転換

 同社の今期3Q業績は、売り上げ156億8200万円(前年同期比7.9%増)、営業利益33億8000万円(同3.5%増)、経常利益99億4300万円(同3.32倍)、純利益64億7500万円(同3.37倍)で着地し、売り上げと営業利益は続伸し、経常利益と純利益は大幅増益転換した。新型コロナウイルス感染症の感染症法の分類が第5類に変更されたことに伴う経済活動の正常化とともに、インバウンド需要の復活期待による高級ホテル開発投資や高級住宅施設のニーズが高まっており、商品ラインアップの拡充やカタログ価格の改定を進めたことが寄与した。経常利益、純利益の大幅増益転換は、住宅建材商社として為替予約評価益が50億8300万円発生し、前年同期の19億1200万円の評価損発生のマイナスからプラスに転換したことも一要因となった。

 今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ210億円(前期比2.9%増)、営業利益48億5000万円(同3.2%増)、経常利益52億5000万円(同1.8%増)、純利益34億円(同1.1%増)と見込んでいる。今期3Qの経常利益、純利益は、すでにこの通期予想利益を約47億円~約30億円上回る高利益進捗率となったが、期末に向けての為替動向の先行きを見通すのは困難として期初予想を据え置いた。業績の上昇修正の可能性は高い。

■急騰のあみやき亭を追撃しPER11倍、PBR0.8倍の割安修正加速

 株価は、四半期決算の発表のたびに為替予約評価益の発生で好業績で着地したことに反応して高値まで買われ、昨年7月の今期第1四半期決算発表時にはストップ高して1000円大台に乗せ、第2四半期決算と相次ぐ自己株式取得の発表では昨年来高値1085円まで買い進まれた。PERは11.9倍、PBRは0.85倍、配当利回りは3.67%と割安であり、早期業績開示プレミアムで株価が急騰したあみやき亭追撃の可能性も強い。次の上値フシとして2021年1月高値1393円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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