【注目銘柄】天龍製鋸は3期ぶり最高純益更新の業績上方修正見直しの動き

注目銘柄

 天龍製鋸<5945>(JQS)は、年初来高値3410円を意識する動きを強めている。同社株は、今年11月10日に今2022年3月期業績を上方修正しており、純利益が大幅続伸して3期ぶりに過去最高を更新すると見込まれていることを見直し割安株買いが再燃した。米国市場では、15日発表の12月のNAHB住宅市場指数が、10カ月ぶりの高水準となり、16日発表予定の11月の住宅着工件数・住宅建設許可件数ではプラス幅を拡大するとみられており、依然として住宅不足を背景に住宅市場の活況が続き関連株人気が高まることを期待して先取りする動きも交錯している。

■国内外で金属用・住宅資材用のチップソーが好調推移

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを10億円、営業利益を9億円、経常利益を10億5000万円、純利益を6億円それぞれ引き上げ、売り上げ130億円(前期比18.0%増)、営業利益25億円(同61.3%増)、経常利益27億5000万円(同56.9%増)、純利益18億円(同49.7%増)と続伸幅の拡大を見込み、純利益は、2019年3月期の過去最高(13億7000万円)を更新する。国内、米国、中国、アジア、欧州で金属用チップソーと住宅資材用チップソーの販売が好調に推移し、前期のコロナ禍による休業などが一巡する一方、受注拡大で工場操業度が大きく改善したことなどが要因となった。

 なお実際に前日16日に米商務省が発表した11月の住宅着工件数は、前月比11.8%増の167.9万戸、住宅建設許可件数は、同3.6%増の172.2万戸といずれも市場予想を上回った。また同社の今期配当は、期初に未定としていたが、業績上方修正とともに連結配当性向を30%以上とする利益還元の基本方針に従って120円(前期実績80円)として実施を予定、連続増配となる。

■PER8倍、PBR0.5倍、配当利回り3.6%で年初来高値は通過点

 株価は、年初来安値2650円から今期の2ケタ増収増益予想や木材価格が高騰する「ウッドショック」関連株人気も加わって2800円台にリバウンドし、今期業績の上方修正とともにストップ高して年初来高値3410円をつけ、3060円まで調整したあと再び年初来高値を窺っている。PERは8倍台、PBRは0.54倍、配当利回りは3.63%と割安であり、年初来高値を一通過点に2018年1月高値3860円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る