エイトレッドは24年3月期3Q累計増収増益と順調、通期予想据え置き

(決算速報)
 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)は1月25日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。増収増益と順調だった。主力のクラウドサービスX-point Cloud、大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksが好調に推移し、積極投資による人件費や広告宣伝費などの増加を吸収した。そして通期の2桁増収増益予想を据え置いた。ストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は23年10月の昨年来安値圏をボトムとして下値を切り上げている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■24年3月期3Q累計増収増益と順調、通期2桁増収増益予想

 24年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比11.6%増の18億12百万円、営業利益が4.3%増の7億52百万円、経常利益が4.3%増の7億53百万円、四半期純利益が5.2%増の5億05百万円だった。

 増収増益と順調だった。主力のクラウドサービスX-point Cloud、大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksが好調に推移し、積極投資による人件費や広告宣伝費などの増加を吸収した。

 製品別の売上高は、クラウドサービスX-point Cloudが新規導入企業数の順調な増加やパッケージ型X-pointからの移行により22.6%増の7億81百万円、大手・中堅企業向けパッケージ型AgileWorksがメジャーバージョンアップ(23年8月4日~)に伴う買い控えの影響が解消して9.4%増の8億11百万円だった。パッケージ型X-pointはクラウドへの移行に伴う新規ライセンス販売終了(22年3月)のため10.0%減の2億18百万円だった。Cloud比率は3.8ポイント上昇して43.1%となった。全体のストック売上高比率は第1四半期が87.8%、第2四半期が77.6%、第3四半期が79.4%だった。

 営業利益(+14百万円)の変動分析は、クラウドサービス売上増加で+1億44百万円、パッケージ売上増加で+45百万円、人件費増加で▲45百万円、減価償却費増加で▲41百万円、クラウドインフラコスト増加で▲29百万円、広告宣伝費増加で▲12百万円、その他で▲48百万円だったとしている。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億40百万円で営業利益が2億06百万円、第2四半期は売上高が6億32百万円で営業利益が2億76百万円、第3四半期は売上高が6億39百万円で営業利益が2億69百万円だった。売上高は第3四半期、営業利益は第2四半期が、四半期ベースで過去最高となっている。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が23年3月期比10.3%増の23億90百万円、営業利益が10.1%増の11億円、経常利益が10.0%増の11億円、当期純利益が11.6%増の7億48百万円としている。配当予想は23年3月期比2円増配の26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。連続増配予想で、予想配当性向は26.0%となる。

 製品別売上高の計画は、X-point Cloudが21.6%増の10億60百万円、AgileWorksが10.6%増の10億72百万円、X-point(22年3月に新規ライセンス販売終了)が20.9%減の2億58百万円としている。

 クラウドサービスが牽引し、人件費やクラウドインフラコストなどの増加を吸収して2桁増収増益予想としている。営業利益(+1億01百万円)の変動分析は、クラウドサービス売上増加で+1億88百万円、パッケージ売上増加で+34百万円、人件費増加で▲1億18百万円、減価償却費増加で▲14百万円、クラウドインフラコスト増加で▲16百万円、その他で+27百万円の見込みとしている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が75.8%、営業利益が68.5%、経常利益が68.5%、当期純利益が67.6%である。利益進捗率がやや低水準だが、ストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値切り上げ

 株価は23年10月の昨年来安値圏をボトムとして下値を切り上げている。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復した。また、13週移動平均線が上向きに転じてきた。好業績を評価して出直りを期待したい。1月25日の終値は1430円、今期予想PER(会社予想のEPS99円90銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の26円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績のBPS537円79銭で算出)は約2.7倍、そして時価総額は約107億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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