Jトラスト、25年12月期2Q累計(中間期)大幅営業増益と順調、日本金融事業が堅調

 Jトラスト<8508>(東証スタンダード)は8月8日に25年12月期第2四半期累計(中間期)連結業績を発表した。計画を上回る大幅営業増益と順調だった。日本金融事業が堅調に推移したほか、韓国及びモンゴル金融事業の業績改善などが寄与した。そして通期の大幅営業増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は徐々に水準を切り上げて戻り高値圏だ。指標面の割安感も評価材料であり、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■25年12月期2Q累計(中間期)大幅営業増益と順調

 25年12月期第2四半期累計(中間期)の連結業績(IFRS)は営業収益が前年同期比7.0%減の607億42百万円、営業利益が125.9%増の45億86百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益が49.7%減の13億90百万円だった。

 計画(売上収益660億円、営業利益37億円、当期純利益16億円)を上回る大幅営業増益と順調だった。日本金融事業が堅調に推移したほか、韓国及びモンゴル金融事業の業績改善などが寄与した。なお親会社の所有者に帰属する中間利益は、為替の円高により、外貨建て資産負債の評価替えに伴う為替差損を計上したため減益だった。

 日本金融事業の営業利益は5.7%増の35億45百万円だった。クレジット・信販業務における貸倒引当金積み増しなどで費用が増加したが、債権回収業務やクレジット・信販業務が好調に推移して増収増益だった。

 韓国及びモンゴル金融事業の営業利益は5億07百万円(前年同期は13億02百万円の損失)だった。銀行業における円換算後の貸出金利息収入が減少したが、調達金利の低下、円換算後の預金利息費用の減少、不良債権売却による貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の減少などにより黒字転換した。

 東南アジア金融事業の営業利益は10.8%増の15億63百万円だった。インドネシアにおいて追加融資に対する貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額が増加した一方で、カンボジアにおいて無形資産の償却が終了したことなどにより販管費が減少したため、全体として増益だった。

 不動産事業の営業利益は6百万円の損失(同3億54百万円)だった。販売用不動産の販売収益が減少した。投資事業の営業利益は39百万円の損失(同6億11百万円の損失)だった。GL社に係る訴訟判決による回収金等を計上し、訴訟費用の圧縮も寄与して損失縮小した。その他事業の営業利益は15百万円の損失(同5百万円の損失)だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は営業収益が306億57百万円で営業利益が21億34百万円、第2四半期は売上収益が300億85百万円で営業利益が24億52百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて営業収益が前期比5.4%増の1351億円、営業利益が77.5%増の111億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が7.6%増の65億円としている。配当予想も据え置いて前期比3円増配の17円(期末一括)としている。予想配当性向は34.7%となる。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が5.9%増の74億59百万円、韓国及びモンゴル金融事業が83.7%増の17億71百万円、東南アジア金融事業が100.1%増の30億21百万円、不動産事業が161.8%増の9億46百万円、投資事業が49百万円の損失(24年12月期は15億95百万円の損失)、その他事業が2億20百万円の損失(24年12月期は2億11百万円の損失)としている。

 日本金融事業は信用保証業務、債権回収業務、証券業務が順調に伸長して増収増益を見込む。韓国及びモンゴル金融事業は、短期延滞債権の回収に注力して貸倒引当金(損失評価引当金)繰入額の減少を見込むほか、大型不良債権のリファイナンシング等による貸倒引当金(損失評価引当金)戻入益を見込む。東南アジア金融事業は、インドネシアでは銀行業務の積極的な貸出残高の増強など、カンボジアでは富裕層を主要顧客とする貸出および運用提案を強化する。不動産事業は総合不動産会社として商品ブランド認知に注力する。投資事業は裁判費用等の回収コストを抑制しつつ、GL社に対する債権回収強化を図る。

 通期予想に対する第2四半期累計(中間期)の進捗率は営業収益が45%、営業利益が41%、親会社の所有者に帰属する当期利益が21%である。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り高値圏

 株価は徐々に水準を切り上げて戻り高値圏だ。指標面の割安感も評価材料であり、好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月8日の終値は461円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS48円96銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の17円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結1株当たり親会社所有者帰属持分1184円52銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約635億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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