【編集長の視点】サイバーは市場変更後の初決算が最高純益を更新し市場予想を上回り急反発

編集長の視点

サイバーエージェント<4751>(東1)は、275円高の4170円と3日ぶりに急反発して始まっている。同社株は、今年9月5日に東証マザーズから東証第1部に市場変更され、前日30日大引け後に市場変更後の初決算となる9月期業績を発表、前期業績が、期初予想を上ぶれて着地して市場変更記念配当を実施、今期も続伸を予想して市場コンセンサスを上回り、純利益が、2期ぶりに過去最高を更新することを評価して割安修正買いが増勢となっている。同じ東証第1部への直近市場変更株の橋本総業<7570>(東1)が、10月29日に今3月期業績の上方修正を発表、年初来高値を更新したことも連想されている。

■スマホ向け売上高比率が71%に高まりゲームアプリも寄与

前2014年9月期業績は、純利益が、期初予想を4億4400万円下回ったが、売り上げが252億3400万円、営業利益が22億2000万円、経常利益が21億8800万円それぞれ上ぶれ、前々期比26.3%増収2.15倍経常増益、2.09倍経常増益、9.0%純益減益で着地した。スマートフォンの普及に対応して、注力事業の「Ameba」を中心にスマートフォン関連事業に経営資源を集中し、スマホ向けの売上高構成比率が、71.2%まで高まり、Ameba事業の営業利益が、前々期の82億円の赤字から24億円の黒字へと転換して先行投資期から収穫期に移行、インターネット広告では、スマートフォン広告を強みに国内ナンバーワンのシェアを拡大、ゲーム・その他メディア事業では、「戦国炎舞-KIZNA-」などの複数のネイティブスゲームがヒットしたことなどが上ぶれ着地要因となっており、純利益は、前々期計上の関係会社売却益の一巡に連結子会社Cygamesの持分変動損約11億円が発生したことが重なって減益転換した。期末配当は、東証1部上場記念配20円を上乗せして60円(前期実績35円)に増配する。

今2015年9月期業績は、Ameba事業の本格的な利益貢献や、投資育成事業で、投資先の今年2014年のIPO(新規株式公開)が、10月22日上場のセレス<3696>(東マ)など6社に増加していずれも公開価格を上回って初値を形成するIPO市況に活況により利益寄与が見込まれることなどから、売り上げ2400億円(前期比16.9%増)、営業利益280億円(同26.0%増)、経常利益280億円(同26.2%増)、純利益140億円(同46.5%増)と予想、営業利益、経常利益は市場コンセンサスを約5億円上回り、純利益は、2013年9月期の過去最高(105億400万円)を更新する。

■年初来安値から市場変更承認で3割高し好業績支援で高値目指す

株価は、前期第3四半期純利益の大幅減益を嫌って窓を開けて年初来安値3105円まで急落したが、東証第1部への市場変更承認とともに需給好転思惑が後押しして4160円高値まで1055円高、33%高して25日移動平均線水準での中段固めを続けてきた。PERは、18倍台とネット関連株として相対的に割安となり、4000円台を回復したここから年初来高値5490円を目指し上値追いに拍車を掛けよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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