大塚ホールディングスの子会社大塚製薬、ジュナナ社買収でフェニルケトン尿症治療薬獲得へ

ビジネス 万年筆 メモ

■米国ボストンにおける研究開発を強化

 大塚ホールディングス<4578>(東証プライム)の100%子会社である大塚製薬は8月1日、米国のジュナナ・セラピューティクス社を買収することで合意したと発表。発表を受けて東京証券取引所は13時に売買停止としている。買収額は完了時に800百万米ドルで、開発の進捗に応じて最大325百万米ドルの追加支払いがある。ジュナナ社は独自の創薬プラットフォーム「RAPID」を持ち、フェニルケトン尿症(PKU)治療薬候補JNT-517を含む革新的な低分子医薬品の開発に成功している。大塚製薬は同買収により、希少疾患や自己免疫疾患領域でのポートフォリオ拡大と創薬技術の獲得を目指していく。

 買収は2024年度第3四半期中の完了を予定しており、ジュナナ社は大塚製薬の完全子会社としてマサチューセッツ州ボストンで事業を継続する。大塚製薬はこの買収を通じて、米国ボストン地域における研究開発を強化し、グローバル展開の相乗効果を期待している。ジュナナ社のCEOは、JNT-517の2025年フェーズ3試験開始を目指すとともに、自己免疫疾患パイプラインの進展に意欲を示している。

 同買収の実行には、ジュナナ社株主総会の承認や米国独占禁止法に基づく条件の充足等が必要となる可能性がある。大塚製薬は、この買収によるアンメットメディカルニーズへの挑戦と、ポートフォリオ拡大に期待を寄せている。同件の2024年12月期連結業績予想への影響は、確定次第公表される予定。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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