【木村隆のマーケット&銘柄観察】タクマはバイオマス発電の好調で今期は増額修正が有力

木村隆のマーケット&銘柄観察

タクマ<6013>(東1)は高値に再チャレンジの展開が予想される。12月4日の高値861円から調整に入っているが、12月17日の787円で底値を確認、ここから出直り相場にスタートを切る可能性が強い。

調整入りのきっかけとなった、今2015年3月期の減益見通しも、一転増益確保の可能性が強まってきた。当然、戻り相場は先の相場スケールを上回ることが予想されている。豊かな成長性を誇る割には、PERはわずか7.9倍と1桁に留まっている。PBRも1.5倍と割安感を誘うとところ。中期成長路線に乗り、株価も順調に上値を伸ばしていくことが予想される。

同社は連続機械式ごみ焼却プラントのパイオニアで、都市ごみ焼却プラントのトップメーカー。汚泥、廃プラスチック類、廃油向けなど多岐にわたる産業廃棄物処理プラントや、木屑やリサイクルのできないパルプ、サトウキビの絞りかすといった生産過程で発生するバイオマスを燃料として利用するボイラプラント、下水などを処理する水処理プラントなどを扱う

上期の業績はバイオマス発電設備の建設工事の引渡しが順調に進捗、後半も、バイオマス発電設備の受注好調が継続するものと見られる。このため、通期の営業利益は会社側見込みの85億円を上回る95億円(前期84億2300万円)への上方修正が有力になっている。

近年では低炭素社会への取組みの一環として、あるいは未利用エネルギー活用の観点から、廃棄物焼却発電が積極的に進められている。さらに、バイオマス等の再生可能エネルギーや、今まで有効利用されてこなかった廃プラスチック等の未利用燃料からのエネルギー回収が増え、同社の燃焼技術、熱回収技術へのニーズはますます高まる方向が予想される。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る