ヘリオス、ARDS治療薬の日本国内承認申請へ、重症肺疾患の新治療薬に期待

■米国FDAとの合意を受け、日本での第3相試験を取り止め

 ヘリオス<4593>(東証グロース)は10月2日、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)治療薬MultiStemについて、日本国内での条件及び期限付承認申請を行うことを決定したと発表。この決定により、日本国内での第3相試験は取り止める予定。同社は、米国を中心としたグローバル第3相試験(REVIVE-ARDS試験)の実施についてFDAと合意しており、試験開始に向けた準備を進めている。

 ARDSは、様々な重症患者に突然起こる呼吸不全の総称で、生命予後を直接改善できる薬物療法は現在存在しない。発症後の死亡率は全体の30~58%と極めて高く、新規の治療法が望まれている。日本国内の患者数は年間2.8万人と推定されており、全世界では110万人以上が罹患していると考えられる。

 MultiStemは、健康な成人ドナー骨髄由来の多能性成体前駆細胞から成る独自の体性幹細胞再生医薬品である。強力な抗炎症作用と免疫調節作用を示し、脳梗塞急性期やARDSなどの治験が実施されている。米国では、FDAよりFast TrackやRMATの指定を受けており、開発が加速されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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