【どう見るこの株】サイバートラスト、セキュリティ関連で人気再燃、2Q最高業績で押し目買い

どう見るこの株

■認証・セキュリティサービス好調、トランザクション数1.3倍増

 サイバートラスト<4498>(東証グロース)は、前日31日に5円安の2068円と4営業日ぶりに小反落して引けた。日経平均株価が、196円安と4営業日ぶりに反落しており、直近安値から300円超リバウンドしている同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ取引時間中の安値2053円からは小戻して終わっており、押し目買いも交錯した。今年10月29日に発表した今2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)累計業績で売り上げ、営業利益が四半期業績として過去最高と好調に推移したことを手掛かりにセキュリティ関連株人気の再燃が期待されている。10月30日には同社の「iTrust eシール用証明書」がNTT西日本(大阪市)の証明書発行サービスに採用され、11月1日から提供開始すると発表したことも、業績上ぶれ材料視されている。

■認証・セキュリティサービスの利用件数が1.3倍と伸びプラットフォーム売り上げも29%増

 同社の今3月期2Q累計業績は、売り上げ33億3100万円(前年同期比11.8%増)、営業利益5億4300万円(同27.8%増)、経常利益5億5600万円(同30.5%増)、純利益4億900万円(同45.1%増)と2ケタの続伸となり、売り上げ、営業利益は過去最高となった。認証・セキュリティサービスのiTrustのトランザクション数(有償API利用件数)が、本人確認のデジタル化、厳格化の進展で金融機関、通信会社向けに1.3倍の871万件に伸び、プラットフォームサービスの売り上げも、Cent057延長サービスの今年7月からの収益貢献の本格化で同29.0%増の14億6600万円と好調に推移したことなどが寄与した。

 今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ72億円(前期比11.3%増)、営業利益13億円(同16.9%増)、経常利益13億円(同15.9%増)、純利益8億6000万円(65.8%増)と見込み、純利益は、前期に計上した減損損失の一巡で2023年3月期の過去最高(7億2500万円)を2期ぶりに更新する。なお「eシール用証明書」は、今年3月に文部科学省が公開した「デジタル学修歴証明導入手引き」に従って学修歴を示す紙の証明書のデジタル化が推進されており、就職、進学のためになどに年間で1200万件の証明書が発行されているだけに業績寄与期待を高めている。

■GC示現で年初来高値を奪回し分割権利落ち後目指す値幅効果も

 株価は、今期業績の2ケタ増収増益予想で2120円と上値を伸ばし、今期第1四半期業績の伸び悩みに今年8月の全般急落相場が重なり年初来安値1510円へ調整した。同安値からKADOKAWA<9468>(東証プライム)などに続いたランサムウエア(身代金)攻撃で人気を高めたセキュリティ関連株の一角として買われて年初来高値2300円をつけ25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では、過去最高の2Q累計業績を手掛かりに25日線から上放れ売り買い交錯となっている。再度、年初来高値奪回にチャレンジし、昨年6月につけた株式分割権利落ち後高値3770円を目指し値幅効果を発揮しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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