【注目銘柄】ミロク情報サービス、クラウド好調で増収増益、ERPシェア15年連続首位

■2Q上ぶれ着地業績を見直しバリュー株買いが再燃して反発

 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)は、前日5日に15円高の1839円と反発して引け、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強めた。今年10月31日に発表した今2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)累計業績が、期初予想を上ぶれて増収増益率を伸ばして着地したことを見直しバリュー株買いが再燃した。11月1日には同社の中堅・中小企業向けERP(統合業務ソフト)システム「MJS LINKシリーズ」の売上高シェアが15年連続でNo.1と調査公表されたことも、追撃の買い材料視されている。

■ソフトウエア使用料収入が39%増となるなどクラウドサービスが好調推移

 今期2Q累計業績は、売り上げ227億4900万円(前年同期比7.4%増)、営業利益29億6700万円(同6.0%増)、経常利益30億2800万円(同5.8%増)、純利益20億5900万円(同12.5%増)で着地し、売り上げは期初予想より6億3900万円、利益は6700万円~1億5800万円上ぶれた。同社は、ERP製品の提供形態を売切型から利用期間に応じてソフトウエア使用料収入を売り上げに計上するサブスクリプション型へ移行するビジネスモデルの転換を進めており、クラウドサービスにAI解析による入力支援機能を搭載して新たに「MJS eードキュメントCloudAIentryキャビネット」も開始した。2Qのシステム導入契約売上高は、前年同期比2.8%増の120億5500万円、サービス収入売上高は、ソフトウエア使用料収入が同39.0%増の35億3400万円と伸びたことを中心に15.8%増の89億8100万円と好調に推移したことなどが寄与した。

 今期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ455億円(前期比3.5%増)、営業利益67億4000万円(同10.3%増)、経常利益67億5000万円(同7.0%増)、純利益44億4000万円(同4.7%増)と見込み、純利益は2022年3月期の過去最高(45億1700万円)に肉薄する。配当は、年間55円(前期実績50円)と連続増配を予定している。なお同社の「MJS LINKシリーズ」は、矢野経済研究所の2024年の調査で年商50億円未満の企業向け財務・会計管理ソリューションのライセンス売上高シェアで、15年連続のトップと分析されている。

■三角保ち合いが煮詰まりPER12倍の修正で年初来高値奪回に再発進

 株価は、前期配当の増配で年初来高値2043円まで買い進まれ、配当権利落ちとともに下値を探り、今期業績の続伸・連続増配予想で1953円までリバンドしたが、8月には日経平均株価が過去最大の下落幅となる全般相場急落に巻き込まれて年初来安値1489円へ突っ込んだ。同安値からは売られ過ぎ修正で1933円まで持ち直し、25日移動平均線を出没する三角保ち合いを続け煮詰まり感を強めた。PERは12.3倍、配当利回りも2.99%と割安であり三角保ち合いを上放れ、年初来高値2043円奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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