マーケットエンタープライズは25年6月期1Q大幅増収で営業・経常黒字転換、ネット型リユースとモバイル通信が牽引

(決算速報)
 マーケットエンタープライズ<3135>(東証プライム)は11月13日に25年6月期第1四半期連結業績を発表した。ネット型リユースとモバイル通信の拡大が牽引して大幅増収となり、一時費用の発生などを吸収して営業利益と経常利益は黒字転換、純利益は損失縮小した。そして通期の大幅増収・大幅増益予想を据え置いた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価はやや上値の重い形だが、一方では下値を順調に切り上げている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■25年6月期1Q営業・経常黒字転換、通期大幅増益予想据え置き

 25年6月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比比33.7%増の54億92百万円、営業利益が69百万円(前年同期は1億54百万円の損失)、経常利益が25百万円(同2億63百万円の損失)、親会社株主帰属四半期純利益が48百万円の損失(同3億25百万円の損失)だった。

 ネット型リユースとモバイル通信の拡大が牽引して大幅増収となり、一時費用の発生などを吸収して営業利益と経常利益は黒字転換、純利益は損失縮小した。なお営業外ではデリバティブ評価損(SBI証券との差金決済型自社株価先渡取引契約に基づくデリバティブ評価損益)が73百万円減少(前期は評価損1億04百万円、当期は評価損31百万円)した。

 営業利益+2億23百万円の増減分析は、増益要因として増収要因で+5億13百万円、生産性向上による販管費比率改善で+2億28百万円、前期の拠点開設・移転関連一時費用解消で+78百万円、減益要因として本社移転関連一時費用で▲68百万円、粗利益率低下で▲56百万円、売上増に伴う販管費増加で▲4億72百万円だった。

 ネット型リユース事業は、売上高が16.6%増の28億05百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.8倍の2億04百万円だった。売上高の内訳は個人向けリユースが26.7%増の21億88百万円、マシナリー(農機具)が10.5%減の5億70百万円、おいくらが11.8%増の46百万だった。マシナリーは海上運賃急騰に伴う買い控えの影響で一時的に減収となったが、個人向けリユースが大幅伸長し、おいくらも順調だった。

 メディア事業は、売上高が21.3%減の1億38百万円、利益が11.0%減の72百万円だった。Google社が実施した検索エンジンにおけるコアアルゴリズム変更の影響が継続して減収減益だった。

 モバイル通信事業は売上高が67.0%増の25億78百万円、利益が95.5%増の1億25百万円だった。新規回線獲得が順調だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が24年6月期比21.0%増の230億円、営業利益が134.3%増の7億円、経常利益が6億50百万円(24年6月期は40百万円)、親会社株主帰属当期純利益が3億30百万円(同4億76百万円の損失)としている。デリバティブ評価損益については算定困難なため見込んでいない。

 販管費における拠点開設・移転費用1億07百万円や、特別損失における減損損失1億90百万円の発生を見込むが、生産性向上施策の進捗と24年4月以降の増員効果などにより大幅増収・大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価はやや上値の重い形だが、一方では下値を順調に切り上げている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。11月13日の終値は1005円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円84銭で算出)は約16倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS164円84銭で算出)は約6.1倍、そして時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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