『外交力』+『経済力』=『強いアメリカ』を買う相場展開、アベノミクス本格化で外国人買いも=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

犬丸正寛の相場展望 来週はNYダウが最高値を更新するかどうかがポイントとなりそうだ。背景には、このところのアメリカ外交の攻勢があるとみていいだろう。

 今回の「原油安」はアメリカが、強引にウクライナ政策を進めるロシアに対する締め付けの一環という見方もあるが、真意のほどは別としてもロシアがルーブル売りに見舞われ窮地に追い込まれたことは事実である。さらに、追い討ちをかけるように、ロシアと親しいキューバに対しアメリカは歴史的ともいえる国交回復を図るという。まさに、アメリカによるロシア包囲の印象である。

 これまで、弱腰外交と攻撃を受けていたオバマ政権が外交面で大きく盛り返したといえる。外交面で強いアメリカの存在感が高まれば、経済面においては、その強さを十分に発揮しているだけに、「外交+経済」=「強いアメリカ」、となってアメリカ買いが強まることが予想される。

 それが、どのていどの「ドル高」と、「NYダウ高」となって現れるか。1ドル=125円ていどのドル高の可能性は予想されるしNYダウの1万8000ドルの可能性も予想される。さらに、仮に、イスラム国に対する優勢も加わればNYダウ2万ドルも考えられる。

 NYダウが上伸すれば日本のマーケットの上値も期待できる。ましてや、14日の選挙で大勝し政権の安定度がよりいっそう高まったことで外国人投資家の買いも期待できる。日経平均は2007年の1万8300円奪回を目指す展開が予想される。

 とくに、安倍政権にとって今回の原油安は有難いプレゼントである。円安のデメリットから円安修正も政策課題として浮上していただけに原油安で円安デメリットを十分に緩和できる。それどころか、来春の再賃上げ要求を睨んで円安で大手企業に稼いでもらえることができる。

 年内最終受け渡しは25日。26日から新春相場となる。「円安」効果をバックに地方創生などアベノミクス第3章の本格的相場入りとみていいだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る