アストロスケールホールディングス、大型衛星デブリ観測ミッションが新段階へ移行

■文科省SBIR制度の採択事業、2028年までの長期プロジェクト

 アストロスケールホールディングス<186A>(東証グロース)の子会社で人工衛星システムの製造・開発・運用を担うアストロスケールは12月18日、大型衛星デブリへの接近と観測を行うISSA-J1ミッションにおいて、基本設計段階のフェーズIを完了し、詳細設計と衛星組立段階のフェーズIIへ移行することを発表した。このミッションは、文部科学省のSBIR制度における宇宙分野の大規模技術実証事業の一環として実施されており、最大で2028年3月まで継続される予定である。フェーズIIでは、最大63.1億円(税抜)の補助金が交付される。

 ISSA-J1は、大型衛星を対象とした近傍での撮像・診断ミッションであり、アストロスケールは2024年2月に開始した商業デブリ除去実証衛星「ADRAS-J」ミッションでの成功を踏まえ、更なる技術力向上を目指している。ADRAS-Jミッションでは、観測対象デブリへの周回観測、約15mまでの接近、衝突回避機能の確認などに成功しており、ISSA-J1では対象を大型衛星デブリとすることで、軌道上サービス実現に向けた能力と実績を積み重ねる。

 運用を終えた衛星デブリは情報が限られており、その状態把握と安全な接近・運用(RPO)は、デブリ除去を含む軌道上サービス提供の基盤となる。この技術実証により、アストロスケールは軌道上にある大半の大型デブリへのRPOを可能とする技術確立を目指す。アストロスケールは、軌道上サービスの世界的リーダーとして、衛星の寿命延長、故障機の観測・点検、デブリ除去など、多様な軌道上サービスソリューションを提供しており、ELSA-dやADRAS-Jミッションでの実績を通じて、その地位を確立している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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