【2025年:注目の相場テーマと銘柄を探る(3)】2025年問題で株価上昇期待、人材・介護・M&A株に商機

■「団塊世代」の後期高齢者化で浮上!「2025年問題」に挑むビジネスチャンス

 2025年の東京市場には、数少ない固有のカタリストも予想される。その代表が「2025年問題」である。「2025年問題」とは今年、「団塊の世代」の800万人がすべて後期高齢者となり、少子高齢化社会が、1ノッチ(一段階)レベルアップする社会問題である。人手不足がさらに深刻化し、医療・介護体制の持続可能性が揺らぎ、社会保障費の負担増を懸念させている。これに中小企業・小規模事業者の後継者難の「2025年の崖」も加わり、この克服は待ったなしとなる。

■人手不足倒産が最高水準、人材サービス株に追い風

 逆にいえば、「2025年問題」の関連株は、このピンチがビジネスチャンスなる展開も想定されることになる。例えば帝国データバンクの「人手不足倒産の動向調査」では、2024年度上半期に年間で過去最高を超える倒産が分析されており、企業サイドの人材ニーズに対応する人材サービス(労働者・技術者派遣業)株への注目度が高まる。

 総合人材サービス業界の大手が注目させることになり、トップのリクルートホールディングス<6098>(東証プライム)以下、パーソルホールディングス<2181>(東証プライム)、パソナグループ<2168>(東証プライム)のほか、製造業派遣のワールドホールディングス<2429>(東証プライム)、UTグループ<2146>(東証プライム)、技術者派遣のテクノプロ・ホールディングス<6028>(東証プライム)、メイテック<9744>(東証プライム)などの関連人気が期待させる。春のお花見シーズンのインバウンド(訪日外国人観光客)本番では、リゾートバイトの人材紹介のダイブ<151A>(東証グロース)の出番も予想される。

■団塊世代800万人が後期高齢者、介護関連株が備える

 介護業界では、上位会社がすでにMBO(経営陣による株式公開買い付け)などで株式を非公開化し「2025年問題」の介護難民化への対応を進めており、これと伍するSOMPOホールディングス<8630>(東証プライム)、セコム<9735>(東証プライム)、学研ホールディングス<9470>(東証プライム)、ソラスト<6197>(東証プライム)、セントケア・ホールディング<2374>(東証スタンダード)、ケア21<2373>(東証スタンダード)などに活躍場面を期待したい。

 後継者不足の「2025年の崖」問題では、事業承継に向けたM&A(企業の合併・買収)の仲介会社のビジネスチャンス拡大につながり、日本M&Aセンター<2127>(東証プライム)、M&Aキャピタルパートナーズ<6080>(東証プライム)、ストライク<6196>(東証プライム)、M&A総研<9552>(東証プライム)、名南M&A<7076>(名証メイン)、オンデック<7360>(東証グロース)、山田コンサルティンググループ<4792>(東証プライム)、ジャパンM&Aソリューション<9236>(東証グロース)のほか、2024年6月に新規株式公開されたインテグループ<192A>(東証グロース)など幅広くマークしたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  2. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  3. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  4. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  5. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  6. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る