【注目銘柄】Jエンジンは底地取得で業績上方修正と連続増配の見直し買いが拡大して6連騰

 ジャパンエンジンコーポレーション(Jエンジン)<6016>(東証スタンダード)は、前日7日に85円高の4325円と6営業日続伸して引け、昨年12月3日につけた直近高値4560円から10月1日につけた株式分割(1株を3株に分割、基準日2024年9月30日)の権利落ち後高値4605円を視野に捉えた。昨年12月19日に発表した固定資産(底地)取得をキッカケに今2025年3月期業績の上方修正・連続過去最高純益更新と連続の増配を見直しバリュー株買いが増勢となった。今年1月6日付けの日本経済新聞で、大手海運3社が、1兆円超を投資してLNG(液化天然ガス)船を積極建造すると報道されたことも、船舶用エンジンの受注環境は良好としてフォローの材料視されている。

■賃借契約満了で本社工場用地を取得し本業も豊富な受注残を背景に好調推移

 固定資産の取得は、同社の本社工場の敷地(5万2433平方メートル)が、事業用定期借地契約で三菱重工業<7011>(東証プライム)から賃借しており、この底地の契約期間が2025年1月に満了となることから行うもので、34億5400万円で取得し2025年2月に物件の引き渡しを予定している。

 一方、今2025年3月期業績は、期初予想より売り上げを8億5000万円、営業利益を6億8000万円、経常利益を6億2000万円、純利益を5億7000万円それぞれ引き上げ、売り上げ275億円(前期比31.1%増)、営業利益40億8000万円(同86.4%増)、経常利益44億9000万円(同27.6%増)、純利益35億7000万円(同40.1%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(25億4800万円)を連続して大幅更新する。船舶用エンジンメーカーとして主機関の生産が、最新鋭・省エネ主機関を中心とする豊富な受注残を背景に好調に推移し、環境対応設備(EGR/SCR)の搭載などにより販売価格の押し上げ効果があったことなどが要因となった。配当は、中間配当を60円(前年同期実績30円)、分割権利落ち後の期末配当を期初予想の32円から42円にそれぞれ引き上げ、年間配当は株式分割を除外すると186円(前期実績130円)と大幅増配を予定している。

■GC示現でPER10倍の割安修正に弾みをつけ分割落ち後高値抜けから一段高

 株価は、受注拡大・好業績・カーボンニュートラル関連人気でつけた上場来高値2万190円から昨年8月の日経平均株価の過去最大の下落幅にツレ安して1万1130円安値と売られたが、業績上方修正と増配、株式分割の同時発表を好感して1万8200円と持ち直して、1万2510円で株式分割の権利を落とした。分割権利落ち後は、落ち後高値4605円から落ち後安値3520円まで調整したが、アンモニア燃料エンジンの試運転完了などを手掛かりにリバウンドして4560円の戻り高値をつけ25日線が75日線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは10.1倍となお割安であり、株式分割の権利落ち高値奪回から株式分割の権利落ち埋めに弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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