エイトレッドは25年3月期3Q累計利益横ばいだが通期増益予想据え置き、売上面はユーザー数の増加で2桁増収と順調

 エイトレッド<3969>(東証スタンダード)は1月23日に25年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。利益面はクラウドインフラコスト等の増加により横ばいだが、売上面はユーザー数の増加等で2桁増収と順調だった。そして通期増収増益予想を据え置いた。クラウドサービスの拡大でストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■25年3月期3Q累計利益横ばいだが売上順調、通期増益予想据え置き

 25年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は売上高が前年同期比13.9%増の20億64百万円、営業利益が0.1%増の7億53百万円、経常利益が0.1%増の7億53百万円、四半期純利益が0.9%減の5億円だった。

 利益面は円安・クラウドサービスの増加に伴ってクラウドインフラコストが増加したほか、減価償却費や人件費の増加も影響して横ばいだが、売上面はユーザー数の増加等で2桁増収と順調だった。

 製品別売上高は、Cloudがユーザー数増加やパッケージ型X-pointからの移行により26.2%増の9億86百万円、AgileWorksがユーザー数増加や新バージョンアップへのアップセルにより10.2%増の8億94百万円、パッケージ型X-pointがクラウドへの移行に伴う新規ライセンス販売終了(22年3月)により16.1%減の1億83百万円だった。クラウド比率は4.7ポイント上昇して47.8%となった。

 営業利益1百万円増益の変動分析は、Cloud売上増加で2億04百万円増益、パッケージ売上増加で47百万円増益、人件費増加で42百万円減益、外注・業務委託費増加で24百万円減益、減価償却費増加で70百万円減益、クラウドインフラコスト増加で95百万円減益、その他で19百万円減益だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高6億41百万円で営業利益2億13百万円、第2四半期は売上高7億35百万円で営業利益3億16百万円、第3四半期は売上高6億87百万円で営業利益2億23百万円だった。ストック売上比率は第1四半期84.4%、第2四半期76.1%、第3四半期84.7%だった。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が24年3月期比11.9%増の28億円、営業利益が11.4%増の11億70百万円、経常利益が11.0%増の11億70百万円、当期純利益が9.8%増の7億84百万円としている。配当予想については24年3月期比6円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)としている。8期連続増配予想で予想配当性向は30.6%となる。

 製品別売上高の計画は、Cloudが27.1%増の13億65百万円、AgileWorksが5.8%増の12億02百万円、新規ライセンス販売終了のパッケージ型X-pointが20.0%減の2億32百万円としている。Cloudは主力のX-point Cloudの需要がパッケージ型からのシフトも含めて拡大基調であり、24年7月からの新価格体系開始も寄与する見込みだ。さらにAgileWorksクラウド版の認知拡大にも注力する。AgileWorksについてはバージョンアップによるアップセルを推進する。

 営業利益1億20百万円増益の変動計画は、Cloud売上増加で2億91百万円増益、人件費増加で1億15百万円減益、減価償却費増加で62百万円減益、クラウドインフラコスト増加で22百万円減益、その他で28百万円増益としている。

 25年3月期は増収増益で8期連続増配予想としている。第3四半期累計の進捗率は売上高が74%、営業利益が64%である。クラウドサービスの拡大でストック収益が積み上がる収益構造であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形でやや軟調だが、調整一巡して出直りを期待したい。1月23日の終値は1532円、今期予想PER(会社予想のEPS104円71銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の32円で算出)は約2.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS608円12銭で算出)は約2.5倍、そして時価総額は約115億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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