データ・アプリケーションは23年3月期3Q累計大幅増益で通期利益予想を超過達成、通期上振れ濃厚

(決算速報)
 データ・アプリケーション<3848>(東証スタンダード)は2月6日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。サブスクリプション売上の伸長が牽引して大幅増益だった。通期は先行投資や不透明感などを考慮して減益予想を据え置いている。ただし第3四半期累計の各利益は通期会社予想を超過達成している。サブスクリプション売上が拡大していることを勘案すれば、通期会社予想は上振れが濃厚だろう。そして積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は株式分割(23年2月1日付で株式2分割)や株主優待制度導入を好感して急伸する場面があった。その後は利益確定売りが一旦優勢になったが、目先的な売りが一巡して再動意の形となっている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計大幅増益で通期利益予想を超過達成

 23年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比7.0%増の18億12百万円、営業利益が20.3%増の3億79百万円、経常利益が19.8%増の3億97百万円、親会社株主帰属四半期純利益が21.3%増の2億73百万円だった。

 サブスクリプション売上の伸長が牽引して大幅増益だった。売上総利益は7.9%増加し、売上総利益率は71.3%で0.6ポイント上昇した。販管費は3.4%増加したが、販管費比率は50.4%で1.7ポイント低下した。この結果、売上高営業利益率は2.3ポイント上昇して20.9%となった。

 売上区分別の状況は、リカーリング売上(サブスクリプション売上、メンテナンス売上)が10.9%増の13億61百万円、パッケージ売上がサブスクリプション売上への戦略的シフトで3.9%減の4億38百万円、サービスその他が24.2%増の11百万円だった。

 主力製品のACMS ApexにRACCOONを標準搭載したデータ連携基盤向けアドバンストエディションを中心に拡販を積極推進し、22年10月には電子インボイス制度に対応したWeb-EDIシステム基盤ACMS Web Framerを発売した。継続的に推進しているソフトウェア製品売り切り型からサブスクリプション売上への戦略的シフトの成果で、22年12月単月のサブスクリプション売上高は21年3月単月の約3.0倍まで伸長した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が5億58百万円で営業利益が82百万円、第2四半期は売上高が6億56百万円で営業利益が1億73百万円、第3四半期は売上高が5億98百万円で営業利益が1億24百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比2.1%増の23億50百万円、営業利益が25.3%減の3億30百万円、経常利益が24.7%減の3億45百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が25.1%減の2億41百万円としている。配当予想(23年2月1日付株式2分割後)は21円50銭(期末一括)としている。株式2分割を考慮すると22年3月期の43円と同額である。

 通期は先行投資や不透明感などを考慮して減益予想としている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高77.1%、営業利益114.8%、経常利益115.1%、親会社株主帰属当期純利益113.3%で、各利益は通期会社予想を超過達成している。サブスクリプション売上が拡大していることを勘案すれば、通期会社予想は上振れが濃厚だろう。そして積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価(23年2月1日付で株式2分割)は、1月10日に発表した株式分割や株主優待制度導入を好感して急伸する場面があった。その後は利益確定売りが一旦優勢になったが、目先的な売りが一巡して再動意の形となっている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。2月6日の終値は985円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円45銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の21円50銭で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(株式2分割換算後の前期実績連結BPS628円77銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は約73億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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