タムロン、ベトナム新工場が稼働開始、地政学リスクを見据えたグローバル生産戦略の一環

■2026年の量産開始、2028年のフル稼働を目指す

 光学機器メーカーのタムロン<7740>(東証プライム)は、生産能力の拡大と安定供給体制の強化を目的に、ベトナム第2工場「タムロンベトナム・ビンフック工場」の建設を進めてきた。約40億円を投じた同工場が完成し、2025年2月から稼働を開始した。新工場ではレンズ加工から組み立てまで一貫した生産が可能であり、2026年の量産体制確立、2028年のフル稼働を目指していく。これにより、同社の生産キャパシティは2024年比で約1.2倍に増加する見込みである。

 タムロンは日本・中国・ベトナムに生産拠点を構える世界三極生産体制を採用しており、日本の青森工場を技術開発の拠点、中国工場を中国市場向けの生産拠点と位置づける。新工場の稼働により、ベトナムの2工場はグローバル市場向けの製品供給を担う役割をさらに強化することとなる。

 近年、地政学リスクや対中関税リスクが高まる中、タムロンはこれらの影響を見据え、2023年より新工場の建設を進めてきた。今後も市場の変化に柔軟に対応しながら、光学製品を世界の顧客に安定供給するための生産体制を強化していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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