【どう見るこの株】ホクリヨウ、鶏卵価格高水準維持、2026年3月期も業績好調の見通し、バリュー株買い増勢

どう見るこの株

■一時年初来高値に顔合わせ、鶏卵価格の高値が続き3月期決算発表に期待し先取り

 ホクリヨウ<1384>(東証スタンダード)は、前日14日に48円高の1550円と3営業日続伸して引け、取引時間中には今年3月24日につけた年初来高値1570円に一時顔合わせした。同社株は、今年5月14日に3月期決算の発表を予定しており、鶏卵価格がなお高値水準で推移していることから、期中に2回上方修正された2025年3月期業績に続いて次期2026年3月期業績も続伸が有力として先取りしバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも、今年3月末の配当権利落ちと「トランプ関税」による世界同時株安が重なって窓を開けて直近安値1215円まで調整したが、この窓を埋めてリバウンドしており、株価加速の追撃材料視されている。

■鳥インフルエンザ感染症は一応収束も鶏卵価格は1キロ=330円レベルで推移

 同社の業績は、鳥インフルエンザに感染した鶏の殺処分で鶏卵の供給量が減少する卵不足で、鶏卵価格が上昇する影響を受けてきた。目下集計中の2025年3月期業績も、昨年11月、今年2月と2回上方修正されたが、鳥インフルエンザの感染が、昨年10月、今年1月と全国各地で発生したことが要因となった。このため2025年3月期の純利益は、期初予想の9億6000万円(前々期比42.0%減)から15億2200万円、19億7400万円(同19.2%増)と次々に引き上げられ、期初の減益転換予想が連続増益となるとともに連続の過去最高更新となった。つれて配当も2回増配され年間70円(前々期実績40円)に連続増配された。

 鳥インフルエンザの感染拡大は、今年2月に入って一応の終息をみせているものの、供給量の拡大には採卵鶏のヒナの成長を待つ必要があり、鶏卵価格は高値に張り付き、今年3月に東京Mサイズで1キログラム当たり327円と今年2月に比べ12円高となり、1993年以降の3月としては2番目の高さとなった。足元の4月14日現在も、330円台で推移しており、5月15日の3月期決算発表時の次期2026年3月期の業績ガイダンスにも影響を与えると期待されている。また仮に減益転換予想となっても、2025年3月期業績と同様に鳥インフルエンザの動向次第では期中の上ぶれ修正の可能性も出てくる。つれて最低配当性向を30%としている配当政策から、連続増配動向も注目ポイントに浮上する。

■年初来高値を通過点に上場来高値奪回し足元の調整幅の倍返しも有望

 株価は、今年2月の2回目の業績上方修正・増配で窓を開けて急伸し、期末の配当権利取りも加わって年初来高値1570円まで213円高した。同高値からは配当権利落ちと世界同時株安の直撃で1215円安値まで窓を開けて355円安の調整となった。ただ同安値からは、2025年3月期推定ベースのPERは5.2倍、PBR0.8倍、配当利回り5.76%は下げ過ぎとして底上げ、年初来高値までリバウンドした。高値奪回とともに上値追いは有力で、2018年1月の上場来高値1680円奪回を通過点に足元の調整幅の倍返しの1900円台チャレンジの展開も想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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