【アナリスト水田雅展の銘柄診断】マルマエはモミ合い上放れて水準切り上げ、半導体分野の受注が増加基調

銘柄分析

 精密部品加工のマルマエ<6264>(東マ)の株価は、10月中下旬の直近安値圏800円近辺でのモミ合いから上放れて水準切り上げの動きを強めている。12月19日は前日比60円高の960円まで上伸する場面があった。半導体分野の受注が増加基調であり、今期(15年8月期)業績見通し増額の可能性や収益改善基調を評価して8月高値1468円を目指す展開だろう。なお1月13日に第1四半期(9月~11月)の業績発表を予定している。

 半導体やFPD(フラットパネルディスプレー)などの製造装置に使用される真空部品や電極などの精密加工事業を展開し、新規分野として光学装置分野の精密加工も強化している。11年7月に事業再生ADRが成立し、売上拡大と生産性向上に取り組んでいる。

 今期(15年8月期)の業績(非連結)見通し(10月14日公表)は売上高が前期比0.9%増の16億円、営業利益が同17.8%減の2億20百万円、経常利益が同21.7%減の2億円、純利益が同30.6%減の2億10百万円としている。不透明要因が多いためFPD分野とその他分野の受注を保守的な見通しとしている。ただし半導体分野の受注が増加基調である。今期業績見通しには増額の可能性があり、一段の収益改善が期待される。

 14年11月度の月次受注残高(速報値)を見ると、半導体分野が1億41百万円、FPD分野が37百万円、その他分野が1億80百万円、合計が3億59百万円となり、前月比では23.0%増加、前年同月比では85.4%増加となった。FPD分野は依然として低調だが、半導体分野の受注が大幅に増加し、その他分野もリピート受注が寄与して大幅に増加した。今後の見通しとして、FPD分野の受注増加は年末あたりとなるようだが、半導体分野は受注増加傾向が継続するとしている。

 株価の動きを見ると、10月中下旬の直近安値圏800円近辺でのモミ合いから上放れて水準切り上げの動きを強めている。12月19日には前日比60円(6.67%)高の960円まで上伸する場面があった。半導体分野の受注増加基調を好感する動きだろう。

 12月19日の終値950円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS120円37銭で算出)は7~8倍近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS86円03銭で算出)は11倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなり、週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。今期業績見通し増額の可能性や収益改善基調を評価して8月高値1468円を目指す展開だろう。

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