【株式市場の話題】BASE株TOB、牧寛之氏が21%取得、経営関与の可能性高まる

■議決権比率20%超え、防衛策を巡り今後の対応焦点に

 ネットショップ作成サービスを展開するBASE<4477>(東証グロース)は8月15日、個人投資家の牧寛之氏による株式公開買付け(TOB)が14日に終了し、結果報告を受けたと発表した。牧氏は今回の買付けで763万3486株を取得し、議決権所有割合は14.41%から21.04%に上昇した。応募株数は上限の1760万株には届かなかったが、BASEが買収防衛策の基準とする20%を上回り、牧氏の経営への影響力が一段と増すこととなった。牧氏はメルコホールディングス創業者一族で、現在はバッファロー<6676>(東証プライム)社長を務めるほか、個人資産を活用した成長企業への投資活動も展開している。

 BASEは8月5日付の意見表明報告書で「議決権割合が20%以上となる可能性は低い」との見解を示していたが、今回の結果により想定を上回る水準となった。牧氏はこの点について、判断に誤りがあったとの認識を示し、防衛策の発動有無や方針の見直しについて2週間以内の回答を取締役会に求めている。両者の主張には隔たりがあり、今後の協議が注目される。

 牧氏は今後の対応として三つの選択肢を提示している。防衛策が発動される場合は法的手続きを通じて対応する考えを示し、防衛策が発動されず撤回または廃止された場合は改めてTOBを検討する意向を明らかにした。一方、防衛策が発動されず方針の撤回も行われない場合には、2026年定時株主総会で取締役選任議案の一部に反対するとともに、市場で最大996万6514株の追加取得を視野に入れている。経営体制や株主との関係に影響を及ぼす可能性があり、BASEの対応が市場の関心を集めている。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  2. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  3. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  4. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  5. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  6. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る