C&FロジHDへのTOB合戦は佐川急便などのSGホールディングスに軍配、AZ-COM丸和HDが買収を「断念」と発表

■相互にTOB価格を引き上げる争奪戦への期待はカラ振りに

 丸和運輸機関などの持株会社AZ-COM丸和HD(AZ-COM丸和ホールディングス)<9090>(東証プライム)は6月6日の15時、「公開買付けに関する当社の方針」を発表し、同社が5月2日に開始した名糖運輸などの持株会社C&FロジHD(C&Fロジホールディングス)<9099>(東証プライム)の株式に対するTOB(公開買付)について、「本公開買付価格を3000円から引き上げないことを決定した」とし、「事実上、当社は、対象者との経営統合を断念することになります」と開示した。

 C&FロジHDへのTOBを巡っては、佐川急便などの持株会社SGホールディングス<9143>(東証プライム)が5月31日に1株5740円でTOBを開始すると発表し、C&FロジHDも同日に「賛同の意」と株主向けの「応募推奨」を発表していた。

 各社の株価をみると、TOBをかけられているC&FロジHDの6日の株価は4日ぶりに反落し5800円(200円安)だった。一部には、TOBを仕掛ける2社が相互にTOB価格を引き上げて争奪戦に突入するといった読みもあったが、AZ-COM丸和HDが争奪戦から降りたため、こうした予想は外れることとなった。AZ-COM丸和HDの6日の株価は3日ぶりに小反発し1209円(12円高)。一方、SGホールディングスの6日の株価は4日続落し1529.5円(1.0円安)だった。

 AZ-COM丸和HDは、「本公開買付けが不成立となった場合であっても、連結売上高1兆円達成に向けての大きな柱として、低温食品物流事業の拡大が持続可能な物流システムの構築に必要不可欠であるとの考えに変更はなく、当社は、当社の低温食品物流事業部門を、3年程で現在の対象者の売上規模と同程度となるよう拡大を目指す予定」とし、「引き続き企業価値の中長期的な向上を実現し、全てのステークホルダーの期待に応える経営を実現していく方針」とした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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