ケイファーマ、ALS治療薬候補「ROPI」の作用機序研究が国際誌に掲載、iPS創薬で進展

■ALS病態モデルを用いた解析で細胞死や酸化ストレス抑制を確認

 ケイファーマ<4896>(東証グロース)は8月20日、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を対象とするロピニロール塩酸塩(ROPI)の作用機序に関する研究成果が、国際学術誌「Journal of Neurochemistry」に掲載されたと発表した。研究は慶應義塾大学・岡野栄之教授の研究グループとの共同で行われたもので、同社が推進するiPS創薬事業の一環となる。

 同研究では、ALS病態モデルとしてTARDBP M337V変異iPS細胞を作製し、運動神経細胞への分化誘導を行った。その解析の結果、ROPIはドーパミンD2受容体に依存せず、ALS病態の特徴である細胞死、酸化ストレス、神経過剰興奮を抑制することが明らかとなった。さらに、ROPIが異常なRNAスプライシングを修復し、ミトコンドリア機能を改善する可能性を示す新たな知見も得られた。

 ALSは有効な治療薬が確立されていない神経疾患であり、国内患者数は約1万人、世界では約33万人と推定されている。今回の研究成果は、新たな治療薬開発に資する重要な知見であり、同社は今後も国内外での医薬品承認を目指し、研究開発を継続していく方針を示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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