フジHD、フジテレビ元経営陣を提訴、損害賠償50億円請求

■港浩一元社長らの任務懈怠を理由に東京地裁へ提訴

 フジ・メディア・ホールディングス<4676>(東証プライム)は8月28日、子会社フジテレビジョンが港浩一元代表取締役社長および大多亮元専務取締役を相手取り、損害賠償請求訴訟を東京地方裁判所に提起したと発表した。請求額は50億円で、2023年6月に発生したタレントと元従業員の事案に関する対応の不備が取締役の任務懈怠にあたると判断されたことが背景である。フジテレビは外部の独立した法律事務所に法的分析を依頼し、その結果を踏まえて訴訟に踏み切った。損害額は453億円超とされ、今後の状況により請求額の増額も検討される。訴訟は会社法の規定によりフジテレビ監査役が代表して進められる。

■グループ改革進捗を公表、人権・ガバナンス強化へ

 同社はまた、同日付でフジテレビおよびグループ全体の改革・再生に向けた取り組みの進捗状況を公表した。フジテレビは「8つの具体的強化策」として、サステナビリティ経営委員会での人権方針改定議論、ドラマやバラエティ台本への相談窓口QRコード掲載、誹謗中傷対策の強化、AI経費不正検知システムの導入決定などを進めている。さらに、社内外の有識者を交えた委員会活動や研修実施を通じてガバナンス強化を図っている。グループ全体でも、女性幹部比率が24.6%へ上昇するなど人的資本経営が進展しているほか、リスクポリシー委員会設置や人権方針改定案の検討も進められている。

 加えて同社は、役員報酬制度の見直しについても発表した。固定報酬を引き下げ、業績連動報酬や株式報酬の比率を増加させる新制度を導入し、2025年7月分から適用を開始した。これは「改革アクションプラン」に沿った経営改革を推進し、株主との価値共有を強める狙いがある。外部専門機関の調査を活用し、報酬水準の妥当性や透明性を確保した設計となっており、今後も経営環境の変化に応じた制度改定を続ける方針である。フジ・メディア・ホールディングスは、一連の訴訟提起と改革施策を通じて、信頼回復と企業価値の持続的な向上を目指す姿勢を鮮明にしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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